ハンドピック(選別)のお話です。
ここ数日イエメンの「マタリ」と闘ってます。

覚悟はしていたけどやっぱり大変。
カップの上品な香味からは想像できないくらい生豆は欠点豆がいっぱい。
他の国の豆は量もさることながら欠点豆の種類自体少ないのでわりと取りやすいのですが、
マタリはまさに欠点豆の総合商社。

マタリだけで欠点豆のサンプル全種揃うんじゃないかってくらい、何から何まであります。

一度で全部取るのは大変なので毎回ターゲットを決めて4トライ。
1キロの豆を1時間ちょいかかって選り分けると残った豆はたったの6割しかありません。
半分近くの豆を捨てる計算です。
こうなってくると「欠点豆をハジいてる」というより
「良い豆を選んで取ってる」とポジティブに考えた方が良い気がしてきます。

実際マタリはハンドピックが直接味作りにつながり、
やる人によって味の変わるとてもチャレンジングな豆です。
悪そうな豆をただ単純に、機械的に弾いていくと特徴的な香味(モカ香)が薄れてしまいます。
取るべきか取らぬべきか、大量にあるボーダーラインの豆の見極めが肝心なのです。
私の場合データも経験も少ないので、あとはもう焼きながら、味を見ながら取ってくしかなさそうです。

小笹の牛作さんではないですが
「うまいモカを飲ます店」
と看板に書けるよう精進していきたいものです。

昼間は買い物や営業等、普通の開店準備に追われてるので
豆の選別は夜、晩御飯を食べてから1時くらいまでやってます。
昼のポカポカ陽気とは違った形で日々睡魔と闘っています。