(販売情報) D&DEPARTMENT FUKUOKA - フクマメ店長日記

博多に昨年末オープンした「D&DEPARTMENT FUKUOKA」さん。
長く人に愛される「ロングライフデザイン」がコンセプトのセレクトショップです。
ショップに併設されたダイニングも地元の食材を使った料理で人気があります。
縁あってこちらで3月13日～5月20日の間コーヒーの提供をさせていただく事になりました。
バトン、コーヒーや福岡に対する思いを良い形で次にお渡しできるよう2ヶ月間頑張っていきたいと思います。

今回は２種類のコーヒーをご用意致しました。

ひとつは
『グアテマラ　コンポステラ　アンティグア』
今年の1月に行った、グアテマラ・アンティグア地方にある「サン・ミゲル農園」の完熟ブルボンです。
ダークチョコレートの様なコクと甘苦さを楽しんでいただけるよう中深煎りで仕上げました。
限定品ではありますが、豆香洞コーヒーのど真ん中の味わいだと思います。
こちらは「ドリップコーヒー」「エスプレッソメニュー」でお出し致します。

そしてもうひとつは昨年の世界大会で提出したコーヒーをイメージしたブレンドです。
これに関しては「飲んでみたい」とか「販売して欲しい」など、ありがたいお言葉を多く頂いていたのですが、
思う所あって今までお出した事はありませんでした。

ロースターのスタイルにも色々ありますが、私は「この味どうだ！」の自己表現型というよりは
お伺いを立てながら飲み手の要望に答える形の味づくりを行っています。
それは競技会においてもそうです。

「ご家庭で、どんな入れ方をしても、最低１、２ヶ月くらいは楽しめるコーヒー」
をお求めの店のお客様と、大会で
「焙煎から24時間後、浸漬式で抽出します。プロトコルと評価フォームはSCAA方式です」
というお客様（審査員）にお出しするコーヒーは違って当然だと思います。

ですので大会のコーヒーは「お店の味」「豆香洞コーヒーの味」とはコンセプトから何から全く違いました。
あまりにも異なるため、普段弊店のコーヒーを楽しまれているお客様には違和感しか感じてもらえないのではないか。
そんなこんなで、今まで作った事はありませんでしたが、この度お話をいただいて、
お店とは違った場所、また期間限定という枠組みなら、もう一度作ってみようかなと思った次第です。

素材そのものが違う（大会で使ったものよりグレードは上です）のと
豆の販売も行うため、カリカリのコンペ的な焙煎はしておりません。
そのため全く同じではなく、少し優しい味ですが、イメージした味わいは同じです。

以下、競技会の際焙煎計画書に書いた味わいのイメージです。

・Aroma&Flavor　→Blueberry,Raspberry,Orange jam,Lime,Bergamot, Rum
・Aftertaste　→Long-lasting sweet
・Acidity　→Tartaric(Winey),Complex
・Body　→Thick,Structured
・Well balanced
・For overall impression →Complex&Layered

世界的に使われているコーヒーの香味表現です。
共通言語なので訳さずにそのまま載せます。

大会ではブラインドで飲んだ審査員6人のコメントとの比較で満点をいただきましたが、さて。
いくつ感じるか、探してみてください。

名称は色々と考えてみましたが、名前が付くととたんにイメージが固まり「商品」になってしまう感じがしました。
そもそもあのブレンドはコンセプトだけがある、その場限りのアドリブだったので、
どんな名前でもしっくりときません。
なので、結局名前は付けないことにしました。

『名前の無いブレンド』

別にかっこつけている訳ではなく、本当に、なにもありません。
「あのブレンド」でも「○○ブレンド」でも「けさらんぱさらん」でも何でも良かったのです。

浅煎りです。
香りや味わいの展開も豆香洞コーヒーで普段お出ししているコーヒーとは違います。
こちらは金属フィルターのフレンチプレスで提供させていただきます。

味あわせの様子です。（画像お借りしました）
こちらのスタッフは本当に情熱の塊のような方ばかりでした。
全てのカフェメニューを、0.5ｇ単位、メッシュも0.5単位で何度何度も落として味あわせしました。
（熱に絆され、飲みすぎて、久々にカフェイン酔いをしました）
ここまで真剣に味の再現性を考えてくれると嬉しくて涙が出ます。
作り手の気持ちを一番に考えてくれている証拠ですね。