コーヒーのハンドドリップ抽出の技術競技会 「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ」に今年も審査員として参加させていただきました。
決勝大会は浅草の東京都立産業貿易センターで行われ、地方予選を勝ち上がった17名が技術を競い合いました。
裏はこんな感じ。全国から集まったジャッジのみなさんです。他の競技会でもジャッジ経験の豊富な方々や、過去のハンドドリップ大会のファイナリストやチャンピオンが審査をしてくれます。ジャッジ陣は前日から何度何度も基準のすり合わせや協議を重ね、本番に臨みました。
決勝大会は審査員の目の前でプレゼンと共にコーヒーを提供する「フリー競技」と、カップ審査のみブラインドでチェックされる「ドリップ競技」に分かれ、両方の合計点で勝敗が決まります。
ドリップ競技の味覚審査員のみなさん。予選と同じく完全に隔離された状態で、運ばれてくる誰がどう入れたのか分からないカップの味わいをチェックして一日中黙々と点数を付けていきます。集中力の必要な、大変な作業です。時間が経つにつれ、段々と表情が。。。
予選は完全なブラインド審査のみで選手の抽出の様子を見ることは出来ませんでいたが、決勝ラウンドはフリー競技、しかもヘッドジャッジという競技全体の様子を確認する役割だったので、選手のみなさんの抽出やプレゼンテーションの様子を一歩引いた形で落ち着いて見ることが出来ました。
ハンドドリッップの良さは色々とありますが、中でも「人が、手で入れる」というのはとても大きな魅力です。素材であるコーヒー豆の品質以上にカップの品質を上げる事はとても難しい(無理?)ですが、飲む方が感じる「おいしさ」には人が、いくらでも魔法をかけてあげる事ができると思います。
今年は審査に「所作」という項目が入りました。適切なプレゼンテーションや信頼感のある美しい所作でもって「おいしい」体験の底上げは可能です。
今回200名近い出場者の中からカップクオリティのみで決勝に進まれた17名は当然抽出上手な方ばかりですが、実際にはコーヒーをたてている姿も美しく、中には抽出してる姿を見ているだけで出てくるコーヒーに期待が高まるような素晴らしいパフォーマンスを見せる方が何人もいました。とくに普段からこういった説明やサービスをしているんだろうな、という方のコーヒーはお店に行って飲んでみたくなります。
以下のリンクから競技の様子を見ることができます。
「JHDC2016」https://www.youtube.com/playlist?list=PLg0I65w2LIPn5NX_YY67kWxOh-ZvsQhTn
この競技会では選手は全て同じコーヒーを使用します。あなたはどの選手のコーヒーを飲んでみたいですか?
競技を終えて。
皆さま本当にお疲れ様でした。
優勝されたアンリミテッドコーヒーバーの佐藤さんはハンドドリップのチャンピオンとして、9月末に行われる抽出技術の異種格闘技戦「ジャパンブリュワーズチャンピオンシップ」に出場します。僕らのチャンピオンとして頑張ってください!
このハンドドリップの競技会には競技者として、また運営側として設立当時から参加させていただいています。今年は審査だけでなく、少しだけルール作りのお手伝いもさせていただきました。この大会のルールは毎年毎年変わりますが方法論が変わるだけで、求められている事はあまり大きく変わっていないように思えます。そして、一貫して求められている部分を理解した上できちんとルールにアジャストできている方が毎回上位に残っているように思えます。
今回は審査基準などが選手に伝わりやすいよう、スコアシートにはかなり具体的な記述がありました。また、求められる技術を高める事で自然と日々の業務にも役立つように設計されていた気もします。今回結果が振るわなかった方も、ぜひ今一度ルールアンドレギュレーションやスコアシートをご覧いただき、満点に届かなかった部分を確認してみて下さい。そこを意識して伸ばしていけば、必ず日々のサービスの向上に繋がり、お客様にも喜んでもらえると思います。また競技としても、より良い結果を残す事が出来るのではないでしょうか。
出来れば私もまた来年、審査員やボランティアとして参加したいと思っています。会場で色々なハンドドリップコーヒーと出会える事を楽しみにしております。