五月豆香洞入荷珈琲選定委員会会長談話

もひとつ注目だったコスタリカ 「El Quemado」のゲイシャ種。
タラス地区の名門ミル(精製所)のものですが
特別なロットなのかこれも生豆の状態は素晴らしいの一言。

「Geisha」と聞くとどうしてもパナマボケテ地区の物と比べてしまうためハードルはかなり上がります。
以前飲んだ事のあるコスタリカ産のゲイシャ種が今一歩だったのに加え、
パナマのゲイシャと違って豆の形状がコロンと少し丸みをおびている事から
正直あまり期待はしていませんでした。

ところがこれがめちゃくちゃ良い!
フレグランス/アロマ/共にフローラルでダージリンティーやレモンピールを思わせる香り、
いわゆる「ゲイシャフレーバー」がバッチリ出ています。
パナマエスメラルダ農園の最良地区の物と比べると大人しいものの、
エリアによってはこちらの方がインパクトがあるかもしれません。
それにしてもゲイシャという品種は。。。豆の形状はかなり違うのに不思議です。

興味深いのはパナマ様の「ゲイシャらしさ」を持ちながら
ベースにしっかりとコスタリカタラス地区に見受けられる
熟度の高いストーンフルーツ系の印象があることです。
「品種」と「テロワール」双方の良さが出ていて面白いです。

鮮烈な香りだけでなくアプリコットジャムやベークドアップルを思わせる強い甘味、
「ク、ク、クリスタルッ!」と思わず叫びたくなるような強烈な液体の透明感。
複雑さに加えてパナマのものよりボディもあり、深煎りでもいけそうです(ゲイシャフレーバーは消えるでしょうが)。

いや素晴らしい。
期待してなかった分これは嬉しい不意打ちです。
ある意味エスメラルダより良いんじゃないかと。
それでいて値段は半額とお買い得。
(それでも一般的なコーヒーの10倍以上はしますが

知名度が低いのでプレミアムな価格で売り切る自信はありませんが
美味しいコーヒーなのでいずれ紹介できたら良いなと思っております。

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. かわちまる より:

    とても興味があります
    先日お店にうかがったかわちまると申します。あのあとカッピングに吸ってるときに霧のようになり、音も出るようになりました。アドバイスのお陰です。ありがとうございます。

    さてゲイシャはとても興味があります。それもコスタリカとのことで、ぜひとも販売を希望します。具体的にスケジュールが決まったらブログでも告知してください。よろしくお願いします

  2. フクマメ店長 より:

    ありがとうございます
    かわちまる様

    先日はご来店ありがとうございました。なんだか適当なアドバイスだったので、うまくいったと聞いてほっとしております。霧状にするのが目的ではないので、あとは意識しないで啜れるようになると良いですね。

    ゲイシャに興味があるとの事ですが、このコスタリカは少し特殊なので、まずはパナマのゲイシャを飲まれたほうが分かりやすいかもしれません。エスメラルダ農園じゃなくてもママカタ農園やドンパチ農園など、ボケテ地区のゲイシャに特有のフレーバーが強く出ているものがあります。

    それと同時に浅く煎ったエチオピアのコーヒー(特にイルガチェフ)も飲んでみるのもおすすめです。ゲイシャフレーバー≒モカフレーバーじゃないかというくらい、共通する香味があります。それが分かればパナマゲイシャにしかない香味もなんとなく分かるかもしれません。

    このコスタリカは来月末に販売する事に決めました。その際はあらためてご案内いたします。ただゲイシャフレーバーを出すか、「出さないか」で少し悩んでいます。というのもパナマのゲイシャとは少し勝手が違い、ゲイシャフレーバーが最大になるポイントと素晴らしく香味が発達するポイントのずれがわりと大きいからです。ギリギリまで悩みたいと思いますが、もしかすると製品にはゲイシャフレーバーが「ゲ」くらいしか出てないかもしれません。

  3. かわちまる より:

    Unknown
    コメントありがとうございます。

    とても参考になりました。

    ちなみにエスメラルダはニュークロップとオールドクロップの飲み比べ(ジョージハウエルのテノールコーヒー焙煎)や、イルガチェフもテノールコーヒーのものやハニーコーヒーなど、農園が異なる物も飲んだことがあります。私なりの印象としてイルガチェフとゲイシャはフレーバーは似ていますが、時間ともに変化していくゲイシャには特別の魅力を感じています。

    来月末の楽しみとなりました。

    後藤さんの焙煎楽しみにしています。

  4. フクマメ店長 より:

    Unknown
    色々と飲まれてるのですね。羨ましいです。それであればコスタリカのゲイシャもそれとして楽しんでいただけるかもしれません。焙煎頑張りますのでどうぞお楽しみにお待ちくださいませ。

    ジョージハウエル氏のお店のコーヒーは私も好きです。豆に全くストレスが掛かってない感じなのにしっかりと個性を出してくる焙煎はいつ飲んでも凄いなと思います。

    ゲイシャの収穫年度別の飲み比べも楽しそうですね。そちらもうらやましいです。ただ氏は「エイジング」より「ビンテージ」に意識があるように感じています。真空パック×冷凍(だったかな?)で豆の変化の少ない保管方法をしていたような気が。もし氏のお店の飲み比べで違いが出たとすれば、経時による変化よりも収穫年度による出来不出来の違いの方が大きいかもしれませんね。(一部のコーヒーを除いて経時による変化はあまり楽しい方向には行かない気がしています)

    コーヒーにビンテージの概念が加わってくると、消費者の方にはひとつ楽しみが増えると思います。我々としてはなかなか大変ですが。

コメントを残す

*