ハニー三昧

私たちが普段良くみるコーヒー豆はコーヒーチェリーという果実の中にあるコーヒ-の「種子」の部分です。
果実から豆を取り出す方法には「ナチュラル」と呼ばれる非水洗式と
「ウォッシュト」と呼ばれる水洗式、大きく分けて二つの伝統的な精選処理法がありますが
それ以外にも最近では各地で様々な方法が研究開発されています。

その中の一つ、中米やブラジルの一部地域で行われている方法に
「パルプトナチュラル」という精選方法があります。
同じ製法を「ハニー」と呼ぶ地域もあります。

詳しくは別の機会に説明したいと思いますが非水洗式に比べて未熟豆の混入率が下がったり、
水洗式に比べて使う設備や水が少なくてすむなど、
要は双方の良いとこ取りの様な方法で様々なメリットがあります。

このパルプトナチュラルという製法には途中、コーヒー豆にミューシレージ(多糖類を主成分とした粘液質)
が着いた状態で乾燥するという工程があります。
その際「粘液質に含まれている糖分が種に移って甘味が増す」と言われています。
真偽のほどは分かりません。
(ハニー製法で作られたコーヒーに甘味の強いものが多いのは事実ですが
その仕組みから選別段階で相対的に熟度が上がるのでそのおかげかもしれません。
そもそも品質向上に対する意識が高い所がこの方法を採用するわけで、
そういった所は全体的に抜かりなく気合入ったコーヒーを作っていますので
単に「ハニー製法だから甘い」という説明には少し違和感を感じます。
まあ理由はなんであれ「甘いコーヒー≒おいしいコーヒー」ですのでそこは大歓迎です)

甘味だけでなくこの製法で作られたコーヒーには特徴的な味わいがあります。
ウォッシュトに比べて口当たりがソフトでなめらかな印象のコーヒーが多いのです。
どちらかと言うとナチュラルに近い感じなのでこちらのほうが先の粘液質が関係しているような気がします。


外観からして普通とは違います。
これも「粘液質」の影響でしょうか、生豆は独特の黄味がかった色をしています。
バキュームパックで届いたこの豆なんかは表面が少しペトペトして豆同士がくっついています。

まだ歴史の浅い製法のため、どれくらい粘液質を残すのか、
どれくらい乾燥させるのかベストなのか等、未だ手探りの部分も多くあります。
うまくいけば品質の向上だけでなく汚水の処理など環境問題の解決に繋がるため今後増えていく方式だとは思います。

当店のラインナップにもハニー仕立ての豆が登場する機会が増えてきました。
現在販売中の豆にも3種類ものハニーコーヒーがあります。
それぞれ違った地域の違った味わいのコーヒーですが
飲み比べればハニー特有の共通する「何か」を感じてもらえるかもしれません。

一昧  『ブラジル パルプトナチュラル』
ニ昧 『コスタリカ ハニー』
三昧 『パナマ ハニー』

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コメント

  1. モリ酸 より:

    美味しいです♪
    パナマのドンパチ農園ハニーは柔らかい甘さでとても美味しいです。

    カフェだけじゃなく、自宅でも飲んでみたくなり、購入しました。

    ほっとする味で幸せな気持ちになります。(*^_^*)

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