JCTC2011 その3

今月はイベント事が多く、一月も経っていないのに神戸に行ったのが随分昔の事のように思えます。
半ば忘れかけてたのですが「続きは?」という方が結構いらっしゃいますので、しつこく当日の様子をお伝えします。

さて、ワクワクドキドキの抽選を経て予選が始まりました。

福岡組では森さんが一組目。
昨年初参加ながら<予選1位-準決勝1位-決勝2位>と他を圧倒する力を見せ付けた実力者です。
誰もが認める天才肌のカッパーで、この人が判らないカップなんてこの世にない気もするくらい。

昨年は予選から全て完璧に当ててきたのに決勝で一セット外して優勝を逃していました。
その悔しさからか、本番直前には「今年は絶対に外さない!」と宣言。
やる気十分です・・・がその表情はかなり緊張気味でした。
今年一等最初、一発目の競技者とあっては仕方がないでしょう。

初っ端から昨年準優勝者の登場、今年の問題の難易度をはかる上でも会場の注目が集まります。
そんな中カウントダウンからスタート。闘いの火蓋は切って落とされました。


競技中の森氏。

1セット目、2セット目はススッといったものの、3セット目から慎重に。
特に2つのセットを念入りにチェックしていました。(・・・ふむふむ)

見てる方も緊張します。
皆が固唾を呑んで見守る中、一番手5分50秒でフィニッシュ。
他の方も6分~7分台と、慎重な立ち上がりにざわつく会場。

そしてその後の答えあわせで場が凍りつきます。
なんと絶対に外さないイメージの森さんが2つのセットを外してしまいました。
本人はもちろん、誰もが順当に勝ち進むだろうと思っていた実力者のまさかのミス。
そして全問正解者もゼロ。。。
この瞬間「今回の問題は相当難しい!」というような空気が生まれたような気がします。
そしてその「空気」に会場は次第に飲み込まれていくのです。。。

森さんが外したのは全く迷わずに選んだ1セット目と2セット目でした。
後半慎重に味を見ていた、難しいと思われる2セットは両方とも正解。
信じられない状況に、何が起こったのかたずねると、
「スタート直後、気持ちがふわふわして集中できていない事に気付かないまま選んでしまった」
との事。

これがあるからこの競技は難しい。
傍から見てると「なぜ判らないかが分からない」かもしれませんが、
通常100回やって100回わかるもの、例えば「酢と水」くらい違う液体でさえも
こんな特殊な環境下では分からなくなる可能性があります。

一見フィジカルな感覚と思われがちな味覚や嗅覚も、実はかなりの部分メンタルの影響を受けています。
全ては気の持ちよう。本当に人間の感覚はわかりません。
最近ではカッピング技術≒心の、意識のコントロール技術、なのかなと思ったりもしています。

さて、この「今年の問題は難しい」という意識が働いてか、
この後も全員が6分~8分ギリギリと、かなり慎重な競技が続きます。
さらに前半12人が終わった時点で全問正解者は1名のみ。
これ以上無いくらいの重い空気が流れる中、あっという間に4組目、自分の番がやってきました。

「まさか」の衝撃から動揺を抑えつつじわじわと集中を高め、
さあいくぞ!と気合を入れたその刹那

   「今から30分の休憩に入ります」

20数年ぶりに「ヘコー!!」という言葉を思い出しました。

つづく(?)

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