第6回品質ワークショップ 結果

先日行われた焙煎ワークショップは都合がつかず通信講座で豆だけ送って参加。
事務局からその結果と最終ラウンドに残ったコーヒー豆が送られてきました。
点数的にはどうだろう、と思いながら送った私の豆も最終ラウンドに残ったようです。

「熟したアプリコット、チャイ、とても甘い、オレンジ、へーゼルナッツ、
グリーンアップル、クリーンカップ、シルキーマウスフィール、インプルーブド、最後までバランスが良い明るいコーヒー」
と良いコメントが並ぶ中、一つだけ
「酸は良いが余韻に欠ける」
というコメントがあり、ギクリ(笑)。
実際、質感重視でフレーバーとアフターテイストを少し犠牲にする焙煎をしました。
微妙な違いだと思うのですが、その中からはっきりと焙煎の意図を汲み取る方がいて、
凄いなと思う反面、恐ろしく感じました。
まさに 「飲めばわかる」 です。

最終ラウンドに残った豆は100%浅煎り~中煎りで、深く焼いたものはありません。
やはりこの辺が高評価を得られやすい、いわゆる「豆の持ち味を生かす」ポイントのようです。
見た目は一緒。色差計で測ってもほとんど変わりは無いかもしれません。
しかし「焙煎度」が同じでもそこに至るまでのプロセスが違えば味はかなり異なります。
全てカッピングしましたが、やはり荒が出やすくて難しい豆である事がわかります。
ネガティブを抑えて優しく丁寧に魅力を引き出す、バランス重視の焙煎をしている豆が高評価を得られていた気がします。

ところで、今回のテーマは「お店で出したい焙煎」でした。
結果を見ればほとんどのロースターが選んだのが「浅煎り」。
お店としても「豆の持ち味が最大限に生きる」味作りを目指している事が良くわかります。
「スペシャルティコーヒーロースター」はそうあらねばいけないのでしょう。
「必ずしも個性を生かす必要は・・・」
なんて思っている不届き者は自分くらいかもしれません。
ここでもはぐれメタルです。

個人的には「深煎りの逸品」も期待していたのですが、
やはりこの豆で「点数を残す」としたら深煎りは難しかった様です。
しかし予選を通れなかった物の中に存在した可能性は否定できず、
やっぱり実際に行って全カップ飲まないと分からないなあ、と思った次第。
可能であれば次回は参加したいと思っています。

今回もいくつかの発見があり、小技の引き出しもちょっぴり増えました。

巨大な豆との格闘

先週はSCAJの焙煎ワークショップに出す豆を焼きました。
巨豆系は本当に難しい。

サンプルローストで浅煎り深煎り双方に狭いスイートスポットを発見。
火の入りやすさ、味わいが急激に変わる特性もあってこの豆は繊細なカロリーコントロールが要求されます。
焙煎士泣かせではあるもののチャレンジングなこういった豆は大好き。
ワークショップは今回で6回目ですが毎度きっちり悩ませてくれて勉強になります。

個人的に巨豆系の深煎りは好きなので、まずは大胆かつ繊細に(笑)深煎りを攻めます。
ボディに若干気になる所があるものの、中々複雑な香味が出せました。おいしい。
ただ点数取るには。。。
もう少し何とかできそうだけどこれ以上攻めると嫌なビター感でるし。むう。

提出期日直前に気が変わって、というか色気が出て、浅煎りを攻めるもタイムアウト。
結局今回は(も?)キワキワまで攻めきれないまま浅煎りの方を提出。

この浅煎り、やや抜けすぎな感じはあるものの、
師匠が別の産地、別の品種の豆で言ってた
「本当にミルクを一滴たらしたような質感」
この豆の特徴、浅煎りの一つの境地(?)は出せたと思います。
ポテンシャル81.5~83の豆とのことで82点あれば御の字。
出した豆の自己評価は。。。クリーンカップは高め。
かなり独特なマウスフィールとアフターテイストがどう評価されるか。
個人的には「口どけ」といった印象。
すっと溶けていくこの感覚は特別高く評価されるものではないので点数は伸びないのかな。
しかしこのスムースで柔らかな口どけ感、うちのラインナップには無い味わいで商品としては魅力的。
今回のテーマが「お店で出したい焙煎」だったので、良いでしょう。

全国の焙煎人の方々がこの難敵をどう攻略してくるか、
また自分の豆が1週間の経時変化も含めてどう評価されるか楽しみです。

※今回使用した豆は極少量入荷のため販売はできませんが店頭、カフェで少しお出しております。
運がよければ浅煎り、深煎り両方を楽しむ事ができますよ。

ロースティング 2

豆の味、釜の味、人の味。どのコーヒーも特徴があって素晴らしい。
個人的にも収穫があり大満足でした。

機会があればまた行いたいけど、こういった取り組みって意外に難しいものなのです。
本来味作りの中核を占める焙煎技術はお店にとっては秘中の秘、公開するものではありません。
また味一つで技術から人格まで(笑)丸裸にされるため多くの焙煎人(特にベテランの方)はこれを嫌います。
そして点数付けての評価形式だとどうしたって誰が上手いとか下手だとかいう話にもなりやすいです。
全く馬鹿馬鹿しい話ですが。

焙煎人の多くは己の信念や哲学、高いプライドを持って仕事をしています。
それぞれの味作りがあり、方向性が違っているのも当然です。
忘れてはいけないのは各店舗のコーヒーの後ろにはその味わいを支持する多くのお客様がいるという事実です。
他所のコーヒーを馬鹿にするということはそこに集うコーヒーファンを馬鹿にする事。
またコーヒーの多様性を奪う事にもなります。
一般の方ならともかく、コーヒーに食べさせて貰っている人間がそれしちゃ終わりだと思っています。

自分はこの様な場は競争したり技術を教えあう所ような場所ではなく、
「本来なら一人でやるべき」様々な検証をプロが共同で、効率的に行う場だと思っています。
セミナーではなくワークショップなので、自分が何かを学ぶか、それと同じくらい何を与えられるかも重要。
いつもそれを考えています。
廻り廻って地域のため、自店のお客さまのためになると思う気持ちもないと続かないでしょう。
一番大切なのは相手を尊重する気持ち、そして信頼関係、これに尽きると思います。
焙煎まで突っ込んだ内容は今回が初めてですが、ここに至るまで数年かかったと思うと感慨深いものがあります。

今回の取り組みではロースターだけでなくバリスタも多く参加しました。
コーヒーサービスの最前線に立つベテランバリスタの意見はとても参考になります。
豆売り販売の実情と照らし合わせても当を得た素晴らしい意見を頂戴しました。
豆でも液体でも、お客様が求めているものは全く同じ。
やっぱりそうなんだ!と勇気がリンリン沸いてきます。


焙煎翌日、3日目と検証して、2週間たった豆をカッピングして経時変化を見ています。
それぞれに味わいの変化が見られます。
少し味が落ち始めているもの、あまり変わらないもの。
ある程度想像してた通りですが、中には「エイジング」と呼んでも良いくらい相対的に良くなっているものもありました。

「焙煎後2週間~1ヶ月」
個人的にはこの辺りの味わいも一つの勝負所と思っていますので、実はこの検証が一番参考になりました。

うどんに学ぶ

遅ればせながら。

家族3人で大地のうどんに行ってきました。
並びを覚悟して行ったものの、平日の変な時間だからか空いててラッキー。

写真は妻が頼んだごぼ天。分厚いごぼう天がこれでもかと入っています。
別のお店でこの形状で出された際はごぼうがペラペラな上に量も普通で
「ただ食べ辛いだけやんけ」としか思わなかったものの、これは
「丼に入りきらないからこの形になりました。ごめんなさい」
といった、かっこつけではない必然性が感じられて好感が持てます。
「うわぁ!」というファーストインパクトの感動を、店を出てからも深く心に残すには
味だけでない、サービスだけでない「何か」が必要です。
このごぼ天にはラテアートの世界に通ずるものを感じました。


自分が頼んだ釜揚げの肉つけ麺。これにもごぼうがどっさり。
メニューには書いてなかったのでサービスなのかな?嬉しい不意打ち。もちろん旨し。

「かけ」を速攻ぺロリアンした恐るべき2歳児ためにわかめうどんを追加。
待っている間「おもちがいっぱいあるね」と指差すので見てみると
カウンターの向こうに熟成中のうどんの種がずらりと並べてありました。おいしそ。
コーヒーでは豆瓶といった所でしょうか。シズル感たっぷり。
こういった演出も抜かりないです。


そして出てきたわかめうどんのわかめがまた素晴らしい!これは食感よりも香り。圧倒的な香り。
麺を取るために表面をブレイクする度に、また口に入れる度上質な磯の香りに襲われます。
今のところ「気合入ったわかめを出す店にハズレなし」という私の持論は間違ってない様子。

麺はどちらかと言えば小麦の香りよりも出汁や他の具材との相性や食感そのものが楽しめるプニュツルシコ系。
福岡にはこういった麺もあります。
「硬さ」と「コシ」を完全に混同してしまっている一部讃岐ファンの方にもぜひ食べてもらいたいものです。

柔らかなコクがある汁は香り高く、ほどよい「ブースト感」も嫌味が無くてこれまた旨し。
何より「アッツアツ」なのが嬉しいもの。「客が感じる美味しさ」が良くわかってらっしゃいます。
変な時間に行ったわりに全く煮詰まってもいませんでした。

BGMがなぜかユニコーンだったのが香ばしい感じですが、
変にかっこつけてジャズ流してるよりよっぽど「らしく」て好感が持てます。

店員さんはフレンドリーながらも折り目正しく気持ちの良い接客をしてくれました。

たたみ掛けるような小さな感動の連続。ほとんど完璧に近いお店です。
辺鄙な所にある(失礼)綺麗でもお洒落でもない(失礼!)建物で、
遠くからあれだけ多くのお客さんを引き付ける魅力はやはり丼のクオリティだけではありませんでした。
業種は違えどこういった「きちんとしたお店」はとても参考になります。
様々な所を見習って少しでも近づけるよう努力して行こうと思いました。

ロースティング 

福岡ローカルでロースティングのワークショップを行いました。
同じ豆を同じ日に焙煎してカッピングします。
使用した釜は日本製の半熱風やインバーター釜、改造直火、
ドイツ製半熱風が3台あったりイタリア製インバーター熱風があったりの計8台。焙煎人も8人。
これだけあると同じ豆とはいえさすがに味わいは様々です。

焙煎における1℃や1秒の違い、火力調節やダンパー操作の0.1目盛りの違いには
焼く人間の思いや祈りが込められていると思っています。
今回もその「意思」はきちんとカップに現れていました。
ブラインドなので自分の豆以外(みんな自分が焼いたものだけは大体わかる)誰が焼いたものかはわかりませんが
味わいから焼いた人間や釜、焙煎人の意図する所をあれこれ想像してひとりニヤニヤ。
焙煎された豆には焼いた人間の性格まで出ているような気がします。
今回も豆に寄り添うような「優しい焙煎」や直球勝負の「男気溢れる焙煎」などがあったりして。
自分が一番気に入ったコーヒーにも焼いた人間の素直さや真面目さといった「人の良さ」と
持って生まれたセンスの良さなどが出ていて感動しました。

ちなみに自分が提出したコーヒーは味はまあ中々でしたがいかにも研究用といった感じ。
豆と格闘、こねくり回したような味わいでした。
8つの中ではちょっと異質で、自分の捻くれた性格がよく出てる気がして飲みながら苦笑。
今回はあるテーマを持ってかなり変態的な焙煎を検証しました。
あえてタブーと言われる操作まで加え、なぜそう言われているかの確認と少しの可能性を発見。
これを通常の焙煎に生かすには削りまくってシンプルにする必要があるので
今回はまあ、次につながる大切な「無駄」だったと思っております

続く

百年の計


『カフェを100年、続けるために』

昨年の末に師匠でもある「カフェバッハ」主催の田口護氏の本が上梓されました。
「100年、続けるために」と言うタイトルが強烈です。
これが30年や50年であれば普通に「僕のお店」「私のお店」の開業指南書なのでしょうが
「100年」となると。。。
この「100年」にとても大切なものが沢山詰まっている気がして
年末年始はずっと「100年・・・」「100年・・・」と考えていました。

2108年の豆香洞コーヒー・・・なかなか想像はつきませんが、
間違いなく言えるのはその時自分がカウンターに立っている事はないという事です。
そう考えると大きな流れの中で、日頃考えている横方向だけでなく縦の時間軸の中でも
自分は小さなピースの一つでしかない(そこに誇りは持っていますが)事を再認識させられます。

またそうとなると自分と自店の「役割」を意識せずにはいられません。
原点に立ち返って「なぜこの仕事を選んだのか」「なぜコーヒーでないと駄目なのか」
「なぜカフェなのか」「なぜ自分じゃないといけないのか」を考えました。
そして珈琲を愛する人々、特に縁あってお店を構える事となった福岡白木原のお客様に対して、
また珈琲の世界全体に対して、熱い思いを持った仲間や後進に対して、
自分に何が出来るのか、そして何が残せるのかを考えました。
いくつか答えは持てた気がします。

この本はメッセージと共にバッハから送ってきて頂いたのですが
「100年続くお店を作ってください」という大変な宿題をもらった気分です。
カフェバッハですら42年。当店はまだ2年と少しですが、
もしかすると「バッハ100年」の中にちょぴっとは含まれているかもしれません。
なんて。それはあまりに僭越な考えですが、どちらにしても
珈琲屋でございますと店を構え業界に飛び込んだ以上責任は重大です。
今まで以上に気合入れていかないといけません。
頑張ります。

いろいろと書きすぎました。
普通に読んでも非常に分かりやすい内容でこれからカフェを始める方にはとても参考になると思います。
場合によっては当たり前の事ばかり書いてあると思われる向きがあるかもしれませんが、
私は100年続けるという事は(それが40年でも)時代の流れに左右されない普遍的な事、
カフェとして、小売業として大切な極々基本的な事を「当たり前に続けていく」のが肝要だという
メッセージであると捉えています。
(まさに「王道」で正直それしかないとは思うのですが、それがまた一番難しい事だとも思います。。。)
プロの方にとっても、そこからさらに深く読み解いていけば役に立つ大きなヒントがたくさんあると思います。
田口氏からはこの本に書いてある事の何倍も、本当に多くの事を学びましたが、
大切なエッセンスはこの本に詰まっている気がします。
あらためて初心に返る事もできました。

バッハでは人やお店はよく「木」に例えられます。
100年たっても倒れない木となると相当しっかりとした根を張り、
広く広く幹を伸ばしていかないといけません。
しかもバランス良く、です(これが難しい・・・)。
やらなければいけない事はまだまだ沢山ありすぎて気が遠くなりますが、
昨日より今日、今日より明日で優先順位をつけ出来る事からコツコツやっていこうと思います。
とりあえず、普段の挨拶の声量を今までの2割増しにしてみました。

コーヒーハンター 川島良彰 『コーヒー栽培の基本 アラビカ編』

先日ライターの小坂さんがエチオピア旅行のビデオを持ってきて見せてくれました。
小坂さん素晴らしい。
そして、ハイビジョン素晴らしい。
コーヒーの実が手でつかめるような、花の香りが漂って来そうな臨場感。
本当に産地にトリップした気分になってうっとりしちゃいました。

「百聞は一見に如かず」とは言いますが、
今は一見する間に「数万聞」できる、そんな時代です。
目で見たもの全てが真実とも限りません。
本当に行かないと分からない事なんて「空気」「匂い」そして「人」くらいではないでしょうか。
(まあそれが一番大切な部分なのですが。。)
ただ、技術の進歩によって情報の価値が大きく変わってきているのは間違いないと思います。
画像がハイビジョンや3Dになったら何がどうなんだと思っている方は一度見てみると良いでしょう。

コーヒーの産地映像と言えば。


『コーヒー栽培の基本 アラビカ編 川島良彰監修』

こちらも素晴らしいです。
「コーヒー栽培の手引き」といったもので、
産地でのコーヒー生産の全工程が分かりやすい映像とナレーションで解説してあります。
映像も素敵で眺めているだけでうっとりします。

私は焙煎人としてではなく、イチコーヒーマンとして、
いつかコーヒーの産地(というかエチオピア)に行きたいという夢がありますが、
まだまだ身につけないといけない事は山ほどあり、10年、20年早いかなと。
今は国内で得られる情報を取るくらいでちょうど良いと思ってます。

とは言えこのDVDから得られるものは多く、本当にためになりました。
7000円と少し高めですが、川島さんと産地に行くと思えばタダみたいなものだし、
下手な生産国セミナーを受けるより数倍良いのでコスパは相当高いのではないでしょうか。
次回作が何編かわかりませんが、楽しみです。
未見の方はぜひ。アマゾンでも買えます。

真夜中のバトル


野生の‘オオカミ’とガチンコ焙煎対決。
ただひたすら豆にを焼く。
誰にも理解されない孤独な作業。
それでも焙煎人は自らの成長のため、
それぞれの「頂」を目指して負荷をかけ続ける。

鍛練

先日SCAJ主催の「品質ワークショップ」に参加しました。
参加者は先に送られてきた同じ課題豆を焼いて事務局に送り、それを当日集まって検証するというものです。
参加は今回で3度目。テーマは「明るい酸」でした。

午前中がカリブレーションで午後から本番、
コンペ形式で1stステージで参加36社の中から各テーブルのベストの豆を決めます。
2ndステージでは全員で選ばれた豆をカッピング&ディスカッション。
焙煎プロファイルまで含めて詳しく検証する、という流れです。
評価フォームはCOE方式(SCAJ、ヨーロッパ式)です。
公正を期すためカッピングは最初から最後までブラインドで行われます。

私は今回は東京まで行くことができなかったため豆だけを送る「通信講座」を受けました。
通信講座は初めての取り組みです。
先日事務局から2ndステージに進んだベスト9の豆の評価と焙煎プロファイル、
ベスト、またベストに準ずるという5種の豆が送ってきました。

私の焼いた豆はギリギリの所、あと1,2ポイントくらいでしょうか、
どこか詰めきれていない感じを残したまま時間切れで提出したのでどうかなと思っていましたが
本番ではベスト9の一つに選んでいただいたようです。


参加者のコメントも細かく書いてありました。
「ジャスミン、アプリコット、ハニー、シルキー、ストロベリー、インプルーブ
、オレンジ、ロングアフターテースト、グリーンアップル、軽やか、スムース」
とあります。
同じコーヒーを飲んで私自身はアップル、ラウンド、スイートアフターフィニッシュ、
くらいしか出てこなかったのでこういった他者の評価は参考になります。

豆のコメントだけでなく焙煎プロファイルも載っていました。
(※私の焙煎プロファイルが少し間違って掲載されていました。正しくは
焙煎機 ダイワ鉄工所 5キロ 半熱風 投入温度 160℃ ボトム102℃ 1ハゼ 8分20秒 終了 10分45秒 です)
使用焙煎機も載っていましたが、その内容がまた興味深い。
当店使用のマイスター5(5kg半熱風)をはじめ、
日本製5kg半熱風、日本製0.25kg半熱風、イタリア製10kg熱風、日本製10kg直火、
日本製5kg直火、アメリカ製35kg熱風、日本製3kg直火、日本製0.5kg直火
なんと、見事なくらい焙煎方式も容量も様々で同じ釜が一つもありません。

焙煎機を語る際「豆の個性を一番出すのは○○式」という話はよく耳にしますが
豆の味を引き出すのは焙煎プロファイル、豆への熱の加え方の問題で、
適切なタイミングで適切な熱量を入れられるものであればある程度何だって良いと思っています。
むしろいわゆる「釜の個性」はマイナス要因として出る事の方が多い気が。
(ギリギリ詰めた、最終最後の0.5~1ポイントくらいには大きく関係するでしょうが、
そこに至るまでには焙煎機やコーヒーの焙煎そのものに関する深い理解と高度な検証技術が必要だと思います)
単に「豆の個性を引き出す」というのであれば「どんな釜で焼いたか分からない」のが一番で
実際点数つけて上位に来る豆にはいわゆる「直火っぽさ」や「熱風っぽさ」はありません。
もちろんこれはコンペや品質評価の話で営業レベルで言えばやはり焙煎機は重要です。
「お店の味」作り、煎り分けへの対応能力や一番大事な味の再現性などに関わってきます。
個性的な「釜の味」はそのまま「店の味」として大きくプラスに働く事でしょう。

と、何の話でしたっけ、頭が回っていないので続く・・・