百年の計


『カフェを100年、続けるために』

昨年の末に師匠でもある「カフェバッハ」主催の田口護氏の本が上梓されました。
「100年、続けるために」と言うタイトルが強烈です。
これが30年や50年であれば普通に「僕のお店」「私のお店」の開業指南書なのでしょうが
「100年」となると。。。
この「100年」にとても大切なものが沢山詰まっている気がして
年末年始はずっと「100年・・・」「100年・・・」と考えていました。

2108年の豆香洞コーヒー・・・なかなか想像はつきませんが、
間違いなく言えるのはその時自分がカウンターに立っている事はないという事です。
そう考えると大きな流れの中で、日頃考えている横方向だけでなく縦の時間軸の中でも
自分は小さなピースの一つでしかない(そこに誇りは持っていますが)事を再認識させられます。

またそうとなると自分と自店の「役割」を意識せずにはいられません。
原点に立ち返って「なぜこの仕事を選んだのか」「なぜコーヒーでないと駄目なのか」
「なぜカフェなのか」「なぜ自分じゃないといけないのか」を考えました。
そして珈琲を愛する人々、特に縁あってお店を構える事となった福岡白木原のお客様に対して、
また珈琲の世界全体に対して、熱い思いを持った仲間や後進に対して、
自分に何が出来るのか、そして何が残せるのかを考えました。
いくつか答えは持てた気がします。

この本はメッセージと共にバッハから送ってきて頂いたのですが
「100年続くお店を作ってください」という大変な宿題をもらった気分です。
カフェバッハですら42年。当店はまだ2年と少しですが、
もしかすると「バッハ100年」の中にちょぴっとは含まれているかもしれません。
なんて。それはあまりに僭越な考えですが、どちらにしても
珈琲屋でございますと店を構え業界に飛び込んだ以上責任は重大です。
今まで以上に気合入れていかないといけません。
頑張ります。

いろいろと書きすぎました。
普通に読んでも非常に分かりやすい内容でこれからカフェを始める方にはとても参考になると思います。
場合によっては当たり前の事ばかり書いてあると思われる向きがあるかもしれませんが、
私は100年続けるという事は(それが40年でも)時代の流れに左右されない普遍的な事、
カフェとして、小売業として大切な極々基本的な事を「当たり前に続けていく」のが肝要だという
メッセージであると捉えています。
(まさに「王道」で正直それしかないとは思うのですが、それがまた一番難しい事だとも思います。。。)
プロの方にとっても、そこからさらに深く読み解いていけば役に立つ大きなヒントがたくさんあると思います。
田口氏からはこの本に書いてある事の何倍も、本当に多くの事を学びましたが、
大切なエッセンスはこの本に詰まっている気がします。
あらためて初心に返る事もできました。

バッハでは人やお店はよく「木」に例えられます。
100年たっても倒れない木となると相当しっかりとした根を張り、
広く広く幹を伸ばしていかないといけません。
しかもバランス良く、です(これが難しい・・・)。
やらなければいけない事はまだまだ沢山ありすぎて気が遠くなりますが、
昨日より今日、今日より明日で優先順位をつけ出来る事からコツコツやっていこうと思います。
とりあえず、普段の挨拶の声量を今までの2割増しにしてみました。

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