「ばいせんの大会っちゃなんね?なんばするとな?」
昨年の大会に参加してから、取材の方だけでなくお客様からも同じ質問を沢山いただきました。
「あ、缶コーヒーのCMで世界チャンピオンが出ているあれやろ?」
こちらも良く言われました。
TVをあまり見ないのでどのCMか存じ上げませんが、それもおそらく違います。
同じ「コーヒー」を扱い、運営もたぶん同じ所が行ってはいますが、
バリスタやドリップ、ラテアートなどの「抽出」や「提供」を競う技術大会とはまた部門が異なります。
昨年初めて行われた上に、競技自体が地味でマイナー、
またステージ上で行う他の華やかな競技会と違って、予選から決勝まで「無観客試合」で行われました、
って、なんだか共産圏での大会のようですね;
情報も全く出ていないようなので、知ってる人がいる方が不思議です。
私自身きちんとした競技会だと思っていますし、
月末からは競技会出場のため店を休みにして、お客様に大変なご迷惑をおかけするため、
今回は私が出場した日本の大会と、できれば今月末に出場する世界大会についても少し説明したいと思います。
その前にまずは「コーヒーの焙煎」について少しだけ。
この焙煎という作業、コーヒー好きな方は別として、一般にはまだまだあまり知られていないように感じています。
弊店でも半年以上通われてる常連さんに「ここで焼いている」と言うと「嘘でしょ」と驚かれたりして、こちらが驚きます。
(表の赤い機械は業務用のミルで、茶色い豆はどこからか仕入れていると思っている様子)
焙煎とは。
簡単に言えば、豆に熱を加えて「そのままでは堅くてえぐくて飲めない生豆(なままめ)を飲用に適した状態にする」作業です。
その生豆(なままめ)に熱を入れていく過程で豆は大きく膨らんで脆くなり、
酸味だったり、苦味だったり、香りの成分だったり
「コーヒーらしさ」を形作る味や香りが形成されて
一般的によく見られる香ばしいコーヒー豆になります。
この「飲めるようにする」というのが第一の目的ですが、
その先にはもっと積極的な「味作り」があります。
豆に対する熱の加え方によって、豆の中で作られる成分、また消えていく成分が変わります。
そのため全く同じ素材を使ったとしても、使う道具によって、また作る人によっても
出来上がった焙煎豆の味わいは大きく異なります。
この「焙煎作業による味作りの技術」それを競うというのが先に行われた焙煎競技会の趣旨です。
つづく