品質ワークショップ

先日SCAJ主催の第2回品質ワークショップに参加してきました。

時節柄か、今年の参加ロースターは40と昨年よりも少なかったのですが、
そのぶん本気度は上がってたように感じます。
遊びと言うか、お祭りというか、浮かれた感じは少しもなく
会場はほどよい緊張感に包まれていました。
極端に変な焙煎の珈琲もなく、
カッピングに関しても点数のばらつきは少なかった気がします。
私も少しは成長したようで、緊張で右も左も・・・な昨年より
集中して味をみることができました。

40カップを8つのテーブルに分けてカッピングして
各テーブル1位のコーヒーが決勝ラウンドに進めます。
残念ながら私のコーヒーは残れませんでした。。。

決勝で私が高得点をつけた豆は対照的でした。
最高点は浅煎りの好例。
フレーバーをばしっと出しているのはもちろん、
酸・甘さ・マウスフィールのバランスが絶妙な「点」でとれてました。
私も詰めてこう焼きたかったという本当にお手本的な例。
全員の評価も非常に高く、これがこのコーヒーのまさにベストポイントでしょう。
後で聞くと私と同じテーブルのNo1でした。
テーブルリーダーの方曰く、私のコーヒーは次点で最後まで競っていたそうです。
光栄ですが、私的には点数の開きもありますし、ただただ完敗の一言。
それぐらい非の打ち所の無い素晴らしいコーヒーでした。
しっかりと味作りもしてきたそうです。

次点は深煎りの好例。
焙煎がかなり深く、そのせいで少し点数的な不利が出ており、
みなさんの評価もそこまでは高くはなかったのですが、
抜けやすいこの豆をここまで深く焼いた上でしっかりと酸を残し、
かつ滑らかな良いマウスフィールを維持できていたのはこのコーヒーだけで、
この味はちょっと今の私の焙煎の延長上にはなく、
これも技術だなあと、味よりもそちらに感激。
尊敬の念を込めて高い点数をつけました。

今回行われた40人のプロが焼いた40の豆の味の検証。
同じ豆で、違う焙煎環境で、述べ100回以上(?)のテストローストなんて
普段は絶対にできません。この素材に関して味の全貌はかなり見えたと思います。
そこからフィードバックして、個人の技術も見えてきます。
名だたる名店、意識の高さもあってさすがにみなさんレベルが高いです。
嫉妬するような素晴らしい技術にも会う事ができました。
私の技術も、現状思いのほか悪くないようです。
伸びしろと詰め方の確認もできました。

プロのくせに焙煎の勉強なんていうのも変な話です。
ただ、一人前になるための勉強と一人前になってからの勉強は
意味合いが全く異なると思うのです。
プロになってからの勉強の方が大変です。
スタート地点ははっきりと見えますが、ゴールは見えませんから。
技術的にスタート地点付近に停滞していても
やりようによっては十分食べていけるでしょう。
食べていければプロといえばそうなのでしょうが、
私が願うのは限りなく高い焙煎の技術を体得する事、
その技術でもってお客様に奉仕すること。
そのためには勉強あるのみです。
今回のワークショップも大変有意義でした。

徹底して良い液体を作ること、作った液体をおいしいと感じていただく事。
両輪どちらも大切だなと感じた東京での2日間でした。

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