中米産地視察 グアテマラ3 (アナカフェ)

フェデコカグアを出て次にAnacafeという生産者組合にお邪魔しました。
アナカフェは国内でのコーヒーの研究・指導だけでなく、
世界中でグアテマラコーヒーのプロモーション活動も行っているので、
私達消費国側にも良く知られた大きな団体です。


玄関前の花壇にコーヒーの木が植えてあって、立派なコーヒーの実が実っていました。
都会とはいっても標高が1500mもあるので、普通に軒先でコーヒーが育つ様です。
「人生初」の産地でのコーヒ-チェリーとの対面が、農園ではなくこんな町中とは。
産地に来た、という実感は湧きましたが、少し複雑な心境です。

オフィスでコーヒーをいただきながら活動報告を受けました。
内容は中米で猛威を振るっている「サビ病」というコーヒーの病気、
その被害状況と今後の対策の話がほとんどでした。
グアテマラも大きな被害を受けて生産が落ち込んでおり、
様々な策は講じているものの、直ぐに良くなる訳ではなく
予断を許さない状況が続いている、との事でした。
お通夜の様な暗い雰囲気に、本当に大変な様子が伝わってきます。
正直、我々の接待どころではないのでしょう。
何だか申し訳ない気がしました。


気を取り直してラボに向かいます。
部屋がいくつもあり、何やらいろんな機器が置いてありました。


ずらりと並んだサンプル用の焙煎機。


この2台以外にも、他の部屋には大型の焙煎機や抽出機が何台もありました。


やはり色々な産地のコーヒーをカッピングさせていただきました。
産地別の特徴を丁寧に教えてもらいながら、というのは午前中と同じでしたが、
こちらではただ普通に飲み比べるのではなく、
 「Aを飲んだ後にDを飲んで」
 「Bを飲んだ後にCを飲んで、その後にAを飲んでみて」
と、飲む順番まで細かく指定してもらいながらのカッピングとなりました。
感覚の「慣れ」や錯覚、また言葉による誘導等も利用して
特徴や違いがより明確に感じられるようにする手法で、
新米カッパーのトレーニングにも使っているそうです。
とてもわかりやすかったので、現在弊店のコーヒ-教室でも工夫して取り入れております。


レクチャーしてくれた、焙煎及びカッピングの責任者と記念にパシャり。(顔のむくみ・・・)
アナカフェでは年間を通して膨大な量のサンプルを焙煎しています。
どのように、またどういった事に気を使いながら焙煎しているのか、図々しくも教えていただきました。

夕食はホテルのレストランへ。
 

 
西洋料理。
美味しいお肉でした。

部屋で仮眠を取り、朝一の便で産地へ向かいます。

http://www.tokado-coffee.com/

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. 原あつみ より:

    コーヒーの病気
    色々たくさんコメントしてしまって、しつこいと思われるかもと思っておりますが、コーヒー農家として黙っていられないという気持ちが沸いてきてしまうので、聞き流してください。
    ハワイ島にはコナ以外にも南にはカウ、東のヒロ市でも多少のコーヒー農園があります。他島にもあります。3-4年前にコーヒーベリーボアラー(CBB)というコーヒー豆を食い尽くす害虫が発生して、多くの農家が潰れました。世界で唯一ハワイにはいなかった害虫だったのですが。ハワイ州はアメリカで唯一のコーヒー生産州なのに、政府は知らん顔を決めていましたが、今やっと援助の手を差し伸べるようになりました。天敵であるボーベリア・バシアナという菌を撒布して退治するんですが、この菌が高い。土に自然にいる菌なので、湿気があれば自然発生してCBBを殺してくれるんですが、日照りの年だったので、大量発生してしまったようです。うちは高価でも使うしかないので撒布していましたが、何の手当てもしていない農家もあって、そこから他の農家に広がっていくという悪循環がありました。これらの農家も政府の援助で撒布が可能になっただろうと期待しています。全滅というのは無理なようですが。
    そうこうしているうちに、あたらしく発見されたエマライウルスというのがどうも広がりつつあるようです。これは実を成長する前に乾燥させて、最終的には実をつけない木にしてしまうということですが、まだどういった経路で感染していくのかわかっていません。今のところの対策としては、感染してしまった木を殺して、根っこから引き抜くしかないようです。ううっ。
    さび病、これも唯一ハワイにはまだいないので、来ないことを祈るのみです。

  2. フクマメ店長 より:

    原さま
    こんにちは。産地の貴重な情報ありがとうございます。やはり病気や虫との戦いなんですね。ハワイのコーヒーは日本にもファンが沢山いますので、早く状況が良くなる事を心から祈っております。

原あつみ へ返信する コメントをキャンセル

*