ボディにしなボディに

「『ボディ』って何?」

という質問を最近良くいただきます。

この「ボディ」。
コーヒーに限らずお茶やお酒やスープなど、液体の味わいを表す言葉として色々な所で良く使われているため、
どこかでご覧になった事がある方も多いと思います。
知っている方には分かりやすく便利な表現ですが、慣れないと少し分かりにくいかもしれません。

「ボディ」とは正に「体」の事です。
個体だけでなく液体にも「華奢」だったり「骨太」だったり、「体」や「芯」の様なものがある、
というのは、感覚的に何となく理解していただける事と思います。
ではそれをどこから感じ取っているかというと、口に入れた際の「量感」や「質感」です。

ボディは「Weak」「Light」「Medium」「Full」「Rich」といった『量』の表現に使われる事が多いため、
ボディ=味わいの重さ・強さと思われている方が多いのですが、それとは別に、
「Silky」「Syrupy」「Round」「Velvety」といった風にその『質』も表します。

 「Namekosouplike body」

「質感」なので、少し不思議な感じがするかもしれませんが、
なめこ汁のとろっとした粘性や炭酸水のシュワシュワっとしたあの感じも「ボディ」です。
口腔内で感じる質感の総称なので「マウスフィール」と呼ばれる事もあります。
言葉としてはこちらの方が分かりやすいかもしれません。

さて、ボディは英語ですが、日本語には「コク」という表現があります。
時としてこの2つの表現が混同され、ボディ=コクとされている場合も見受けられますが、
厳密に言えば、ボディはコクに繋がる要素の一つではあるものの、コクそのものではありません。
「コク」はボディよりももっと複雑で深く、とても面白い世界です。
食べ物や飲み物を口に入れ、自然とコクの有る無しや良し悪しを判断している日本人は
やはり「味」にうるさい人達なのかもしれません。

「コクのあるコーヒーちょうだい」
コーヒー屋が一番(か二番目に)良くいただく、一番緊張するご注文です。

コクについて詳しく知りたい方は『コクと旨みの秘密 著・伏木亨』という本がオススメです。

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コメント

  1. 原あつみ より:

    ボディ
    こんにちは。
    こちらハワイにShawn SteimanというDr.コーヒーがいらっしゃって、”The Hawaii Coffee Book”という本を書いていらっしゃるのですが、その中でボディは、「口のなかで、スキムミルクはホールミルクとどう違って感じられるかと考えるといい」とおっしゃっていますが、それを読んだとき、「そうか!」と膝を打ちましたが、どうでしょう?

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