ハンドドリップ

ハンドドリップというと日本のコーヒー屋さんのお家芸といった感じがありましたが、
最近は海外の一部コーヒーシーンでも人気のようで、色々な所で見かけるようになりました。

(グアテマラでも!)

ただ、実際に海外の方やサードウェーブ系の新しいタイプのコーヒー屋さんの抽出を見ていると日本のそれとは少し様子が違っていて、どちらかというと浸漬寄り、注ぎ方というよりはドリッパーやフィルター等の器具に依存する入れ方をしているように見えます。そういった入れ方では湯温や粒度、間欠に注ぐ際のお湯の量等の調整である程度味わいを確定してしまう事が出来るため、抽出メソッドさえ確立できればドリップ抽出に不慣れなスタッフでも比較的再現性の高い抽出が行えるというメリットがあります。

一方、日本で古くから行われているドリップ抽出では、フィルターやドリッパーは抽出器というよりは「粉をホールドするための道具」程度で、抽出器の主役は粉そのものではないかなと思っております。

もちろん、ドリッパーの形状やフィルターの材質(ネルやペーパー、金属等)の違いで味わいは変化しますので、それらも大切と言えば大切なのですが、それよりもドリッパーの中の粉の層の形状、状態の方が重要という事は従来型の古式ドリップ(?)に共通して言えることではないでしょうか。

コーヒーの粉そのものが抽出器の一部だと考えると、急に抽出は複雑になり、
その分深みが出て面白いものとなります。

ある意味、抽出器であり、ろ過器でもある粉の層。
コーヒーの粉を可変式の抽出器と考えた時、お湯の注ぎ方がとても重要になってくる気がします。

粉をどう流すか(または留めるか)で抽出の条件は大きく変化します。
仕上がりの味わいをイメージしながら、どんなタイミングでどの成分をどれだけ抽出するか、
そのためにはどんな状態の粉の、どの部分に、どのように、どれくらいの量のお湯を乗せていくか、
常に考えながらお湯を注いでいかないといけません。
本当にドリップ抽出とは最初から最後まで、考えに考えて、考え抜く事だなと思いながら
日々ドリップ抽出を行っております。
(自分の店で抽出する時は焙煎の段階まで遡って考えながら抽出しますので
頭が処理能力を超えて爆発しそうになる事が良くあります;)

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