ハンドドリップ考

先日ある企業様の社内競技会で味覚審査員としてお手伝いをさせていただきました。
同じコーヒーを、同じ道具、おそらくそれほど変わらない同じメソッドで入れたとしても、
ブラインドで飲むと別物と思えるくらい色々な味わいがありました。
やはり注ぎ方によって味はかなり変わります。

ドリップをドリップらしい手法(?)で入れた際、抽出する人によって特に変わるのは「ボディ(質感)」です。フレーバーや味の「強弱」はレシピやメソッドに因る所が大きいものの、質感だけは抽出の上手い下手がはっきりと出ます。

本当に上手な方はカッピングで飲むと少しザラザラしたコーヒーでも、抽出液はつるつる・すべすべの質感に仕上げて出してきます。下手な方はこの逆です。そういった場合は入れ方にあまり左右されない手法、浸漬式に近い形やかき混ぜる、等もそうかもしれません、とにかく豆そのものの質感をダイレクトに出しやすい方法を取る場合が多いように思えます。海外やスペシャルティ系のお店で新しいタイプのドリップ抽出が多いのは、下手に質感を損なうよりも、豆の素性の良さを誰もがストレートに表現出来るように、との配慮があるのかもしれません。それはそれで嬉しい事です。

個人的には出されたコーヒーが良ければどんな入れ方をしてもらっても構いません。ただ、世の中の全てのコーヒー豆が素晴らしい質感を持っている訳では無いので、やはり技術でもって心地よい質感に仕上げてくれる、熟練ドリップ職人、の様な方のいるお店の方が、お客さんとしては安心して行けるような気はします。

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コメント

  1. 原あつみ より:

    ドリップ
    こんにちは。
    アメリカにはドリップでコーヒーを淹れるのはめずらしいので、今回東京に行った時、ネルのドリップ一式を買い込んできて淹れてますが、難しい。熟練のハンドドリッパー。夢です。

  2. フクマメ店長 より:

    Unknown
    原さま

    ネルドリップは難しいですね。
    ただ、その自由度の高さに慣れると今度は
    ペーパードリップが難しくなります。
    ちょっと難しいから面白いのかもしれません。

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