コーヒーの味わいは「水」で決まる?

コーヒーの味わいは「水」で決まる?

「豆」か「水」か論

コーヒーは「水」と「コーヒー(の成分)」で出来ています。そして巷では「コーヒーの99%は水。だから水が一番大事」なんて事がまことしやかに言われています。

たしかにコーヒーの成分濃度は1から2%の間くらいなので「99%が水」というのは間違いではありません。ただ「味わいの大半が決まる」とまで言われるとコーヒー屋としては???となります。

数字のマジック

純粋な「水」は全くの無味無臭です。色々な水を飲み比べてみるとそれぞれ味わいの違いを感じますが、それは水によって溶け込んでいるミネラルやイオンの成分の割合が違うからです。

じゃあその量がどれくらいかというと、かなり微量です。特に日本は軟水が多いので通常コーヒーに使われる水に溶けているミネラルの量は、同じく溶け込んでいるコーヒー成分の量の百分の1以下ではないでしょうか。

つまり、味に影響する成分の割合だけでいえばコーヒーの99%は豆(から溶け出した成分)1%が水(の味を作る成分)』とも言えるのです。

「コーヒーの99%は水」

「味の成分の99%はコーヒー」

どちらも別に間違った事を言っているわけではありません。両方もっともらしく聞こえますが、視点や扱う数字をちょっと変えただけの数字のマジックです。

ただ、感覚としてどうでしょう、
「無色透明、無味無臭の水にたった1%のコーヒー豆の成分が溶け込むだけで色も味も香りも強いコーヒーという飲み物に変わる」
これって結構すごい事です。そう考えるとコーヒー豆(の成分)がわりと重要な気がしてきませんか?

水による味わいの違い

入れ方が同じでも水によってコーヒーの味わいは確かに変わります。それは水そのものの味が影響しているというよりは、水の違いによって抽出効率が変わったり、豆から抽出されるコーヒーの成分のバランスが微妙に変わる事が原因です。

出張先でコーヒーを出すと、水の違いによって思ったような味が出ない時があります。たまに驚くほど変わるような場合もありますが、たいていは粉の挽き具合やお湯の温度等で調整できるのでそれほど大きな問題にはなりません。

水が変われば味が変わる。それは間違いありません。間違いはありませんが、その変わった味を「美味しくなった」と思うか「不味くなった」と思うかがまた人それぞれだったりするのが嗜好品であるコーヒーの難しいところです。

もし世の中にどんなコーヒーを入れても万人が「おいしい!」と唸るような魔法の水、またそのような水を作り出す機械等があれば、世界中のコーヒー企業が放っておかないと思います。水変えただけで美味しくなるなら苦労は要りません。私も欲しいです。しかし残念ながらそのような話はまだ聞いた事がありません。

水よりも豆にこだわってみませんか

私は別に水にこだわる事は否定しません。最終的にこだわりたければ水にまでこだわるのも良いと思います。コーヒーは自由です。今なにか特殊な水を使っていて、それでおいしいコーヒーが入っているのなら一番幸せな事です。何も言う事はありません。

ただ、もし今あなたが自分が入れるコーヒーに満足していない、自分にとっての「おいしいコーヒー」を探している最中であれば、おいしくはいる「水」を探すその労力やコストを「豆」選びに向けた方が数十倍効率は良いとは思います。なぜなら成分的には・・(以下略)

・おいしくはいる水、より先に普通に家の水で入れてもおいしく入る豆を探しましょう。
・今飲んでいるコーヒーが物足りないのであれば、水ではなくコーヒー豆を疑いましょう。

以上、コーヒー豆屋の一方的な主張でした。(水屋さんごめんなさい)

次回はそのコーヒー豆の買い方、選び方のコツをお伝えしたいと思います。

それではまた。
皆様のおうちコーヒーライフが少しでも豊かになります様に。

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