でもしか・・・

時代は移り変わり、昭和の喫茶店ブーム、平成のカフェブームときて、
最近はまた自家焙煎店(マイクロロースター)の開業ブームが来ています。
実際に開業を目指す方、開業する方は周りにも多く、活気があります。
そしてその中で「でもしかロースター」という新しい言葉が生まれてきているような気もしています。

話し易いからなのか何なのか、開業の相談を受ける事が良くあります。
私自身開業から数年しか経っていないのでたいしたアドバイスはできませんが、
わかる範囲のお話はさせていただいております。

そのやりとりの中で最近(特にここ一年)
立て続けに10人以上の相談者、また研修希望の方の中に
 「ロースターでもやろうかな」
といった考えをお持ち(と感じる)の方にお会いしました。
(本人は意識していないかもしれませんが、私たちは毎日毎日コーヒーが好き好きでたまらないお客様や、
24時間コーヒーの事ばかり考えているプロのコーヒーマンに囲まれて過ごしていますので、
その方がどれくらい真剣にコーヒーと向き合っているかは少し話すだけでも良くわかります。
プロ野球選手の輪の中でキャッチボールを見られたら、、、分かりませんが多分そんな感じです)

修行時代はもちろん、開店してからも色々な所で
開業希望者や他社のロースターと話す機会は多かったものの、
今までそういった感じの方に会う事はほとんど無かったので、
それがたまの偶然なのか、はたまたそういった時代なのか、
ここまで多いと少し不思議な感じもします。

しかし、見方を変えればそれは「焙煎士」(「師」でなく「士」の方)という職業が認知され、
マイクロロースターの開業が我々一部のマニア、変態、世間知らずの珈琲馬鹿一代、から
広く一般に広がったという事で、喜ばしい事でもあります。(お客様の選択肢も増えますし)
本当の意味でのブームの到来とも言えるのではないでしょうか。
と同時にそれは、歴史を見る限りにおいては
「終わりの始まり」
でもあって、より厳しい時代の幕開けをも意味します。

先の喫茶店開業ブームと大きく異なるのは
技術や知識、道具、資金等、必要な物を持たずに開業したとしても
サポートしてくれる人は誰もいない、というのが一点。
そして、そもそも皆を賄ってくれる程大きな市場が無い、という厳しい現実もあります。

だから私達はしっかりとした準備をして、開業してからはより一層の努力を続け、
自分で市場(コーヒーファン)を作っていくんだ、くらいの気概を持って頑張って行かないと、
細々とやっていく事すら難しいと感じております。

喫茶開業ブームやカフェ開業ブームの際も激しい競争や淘汰は行われましたが、
提供するサービスの内容や質にこだわり、しっかりとした経営を行ってきたお店は
今でもきちんと残って、どこも「名店」と呼ばれております。
そういった素晴らしいお店に良く学び、20年30年、そして100年続く、
骨太で、真っ直ぐなお店を作っていきたいと思っております。

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. YODA より:

    はじめまして。
    フクマメ店長さん。
    はじめましてこんにちは。
    いつも楽しくブログを読ませて頂いています。
    今回のブログを読んで
    私もでもしかに見られるんだろうなと
    ドッキリした反面
    更に身を引き締めて精進しようと思いました。
    失礼ながら質問をよろしいですか。
    お答えできる範囲で構いません。

    フクマメ店長さんにとっての
    開店準備期間の三年間。
    開業できるぞと、どんな事で自信が
    つきましたか?

    宜しくお願い致します。
    これからも楽しく拝見させていただきます。

  2. 海太ママ より:

    マスターは凄い方
    マスターなら100年変わらぬ味を提供出来ますよ(*^o^*)コーヒーに対する姿勢が熱くて心を打たれた日から何も変わらないマスター☆お人柄の賜ですね(*^o^*)沢山の素敵な方々に支えられてる素敵なお店です。日々陰ながら応援してます(^∀^)ノ

  3. フクマメ店長 より:

    偉そうなこと言っておりますが・・・
    YODA様

    はじめまして。
    YODA様は「でもしか」では無い気がします。
    でもしか様は凄いんです。「焙煎士目指しています」と言いながら、今まで豆焼いた事一度もありません!とか、コーヒー飲むのは一日一杯です!とか、家に抽出器具ありません!とか、マンデリンてどこの国ですか?とか、本当に強者ばかりなのです^^;

    >開業できるぞと、どんな事で自信が
    >つきましたか?

    修行時代は、明日にでも開業したいという思いが常にありましたが、それを客観的に、私の技術レベルを見ながら「あなたにはまだ早い」 「まだこれとこれ、そしてこれが出来ていない」 「まだです」 「まだです」 と手綱を引いてくれる先生がいました。私の場合、たまたま3年経った時に「まあ、ぼちぼち」と手綱を緩められたので、そのまま突っ走って開業しました。

    とにかく一日でも早くコーヒーマンになりたいという思いがあっただけで、商売として、技術者として上手くやっていく自信は正直言ってありませんでした。というよりも、自信が有るか無いかと言われたら、今でもあまり無いかもしれません。コーヒーは、難しいです。ただ、有難いことにあれほど憧れていたコーヒー屋を今やらせていただいておりますので、そこから転がり落ちないように、日々できる事を精一杯やっている、そんな6年間です。あっと言う間でしたが修行時代の3年間と今と、ほとんど何も変わっていないような気がしています。

  4. フクマメ店長 より:

    Unknown
    海太ママさま

    いつもありがとうございます。
    そう、何も変わらないんです。
    もう少し、成長したいのですが^^;
    これからもどうぞよろしくお願い致します。

  5. YODA より:

    ありがとうございます。
    フクマメ店長様

    早速の返信ありがとうございます。

    それは本当の話ですか(汗)
    強者ぞろいですね。
    でも優しい店長さんは
    どんな方にも丁寧に説明している
    のでしょうね。
    私も地道に頑張ります。
    この度はありがとうございます。
    またコメントさせてください。
    遠方ですが応援しております。

  6. ike より:

    マイクロホームロースター
    後藤様
    いつも美味しくて美しい珈琲豆をありがとうございます。

    私は、自分がiロースターで焙煎していた経験から
    いずれ、ホームロースター時代が
    到来するのではないかと思っています。

    生豆もネットで簡単に入手できます。
    自分で焙煎できる喜びと自分で焙煎した珈琲を
    一度でも味わったら、病みつきになるのもうなずけます。

    だからこそ貴店のような気骨のある
    自家焙煎のお店が必要なのだと感じております。

    何十㌔もの珈琲豆をプロパンのサンプルロースターまで購入して焙煎しても、
    貴店の豆の美しさを見たときに
    プロと趣味人の違いを痛感させられました。

    貴店の珈琲を飲みながらスタッフの皆さんと
    話しをする時間や煎り上がった珈琲豆のハゼ音を
    聴きながら、気長に珈琲の勉強を続けます。
    後藤さんが、珈琲仙人になって
    永遠に焙煎し続けてくださいますように(^^)

  7. フクマメ店長 より:

    Unknown
    YODA様

    優しさというか、私も開業してから日が浅いので、開業前の焦りや悶々とした気持ちはまだ覚えており、同じ環境にある方をみると、生意気にアドバイスなどしてしまいます。

    コーヒー屋を目指す人はいつか必ずコーヒー屋にはなれます。だから焦らず、地道に、気長にが良いですね。いつかは同業者です。YODA様が素敵なお店を出されるのを楽しみにしております。それまで私も頑張ってお店を続けたいと思います。今後共よろしくお願いいたします。

  8. フクマメ店長 より:

    Unknown
    ike様

    いつもありがとうございます。
    確かにホームロースターの時代は必ず来る(というか来ている?)と思います。ご家庭では好きな時に、好きな豆を、好きな味わいに焼けますので、品質はともかく、「おいしさ」では我々は分が悪いと思います。私たちは豆屋ですが「豆以外の何か」で勝負していかないと、厳しい時代になっていくと思います。ホームローストの事も勉強していかないと行けませんね。よろしければ今度、色々と教えてください。よろしくお願いいたします。

YODA へ返信する コメントをキャンセル

*