
カッピング用のおすすめの道具、今回は「カップ」を紹介します。
‘カップ’といってもカッピングの容器ではなく、グラインダーで挽いた粉を受ける、粉受けカップのお話です。
カッピング
コーヒーの製品チェックにも色々なやり方がありますが、良く使われている方法に浸漬式の「カッピング」という手法があります。
弊店でも製品の一次チェックにはカッピングを用いています。(目的に応じてドリップ抽出したものの「テイスティング」と使い分けています)
カッピングの手順
以下ざっくりと。
① コーヒーを粉に挽いてその香りを嗅ぐ(ドライ)
② お湯を注ぎ立ち上がる香りを嗅ぐ(クラスト)
③ しばらく静置してスプーンで撹拌しその時の香りを嗅ぐ(ブレイク)
④ 液体をスプーンですすり香りと味わいをチェックする(高温)
⑤ 液体をスプーンですすり香りと味わいをチェックする(中温)
⑥ 液体をスプーンですすり香りと味わいをチェックする(低温≒室温)
以上です。だいたいどこもこういった流れだと思います。
①~⑥まで、それぞれ全部重要と言えば重要なんですが、私は普段の製品のチェック、特に焙煎のチェックをする時は①と⑥を重点的に見ています。というか、普段はほとんどそれしか見ていません。
①のドライ。抽出液に出る香り、出ない香りも含めて、香りは全部この中にある、という気持ちでクンカクンカと全力でフレグランスの中にある香りを採ります。これで仕事の半分が終わる感じです。
⑥のカッピング。抽出された味わいや質感は全部ここに残っている、という気持ちでチビチビ舐めて味を取ります。全体の3~4割りくらいの情報を取ります。
①と⑥だけで全体の9割くらいの情報をとってしまうという、一見いい加減なスタイル(どこに注力するかの話で、実際はちゃんと採れています)を取っているのですが、中でも「話が早い」と言うことで、製造時特に重視にしているのが①。粉の香りです。
その粉の香りを楽に、正確に採るために、2年くらい前に見つけたこのカップを粉受けに使っています。
和平フレイズ ラウンドロックタンブラー 380ml 燕三 ステンレス EM-9607
本来何のために使うものなのかはわかりませんが、ワインやブランデーのグラスの様にボウルの容量が大きくぷっくりと下部が膨らんだ形状をしているため、一般的なカップに比べると2倍~3倍くらい(当社比)しっかりと香りを感じる事が出来ます。
カップをこれに変えるだけで粉から得られる情報量が格段に増え、まるで自分の鼻の能力が上がった様に勘違いすることが可能です。
カッピングのスタイルは人それぞれ色々とありますが、ドライ(粉の香り)を中心に行っている方(います?)には、本当におすすめのアイテムです。