SCAJ抽出セミナー

先日日本スペシャルティコーヒー協会主催の抽出セミナーに参加してきました。
セミナーと言ってもほとんど仕事で抽出してる人の集まりなので研究会に近いのでしょうか。

午前中はサイフォン。
昔ながらの喫茶店が減る中絶滅危惧種に指定されてもおかしくない抽出法ですが
近年海外のスペシャルティコーヒー業界で流行ってるそうで
逆輸入という形で日本でも注目されつつあります。
難しさ、厳しさ、はあるものの、様々な利点もあり、まだまだ十分可能性のある抽出法だと思います。

講義では特徴のまとめの後、自分で何回か入れたものと他人のコーヒーを飲み比べて検証。
いわゆる「いかにもサイフォン」なコーヒーはどこに問題があるのか、何が起こっているのかを確認。


抽出後の粉の状態でわかることもあります。

お昼を挟んで午後はペーパードリップ。
やはり講義と実習~検証。


抽出後の粉の状態でわかることもあります。

ペーパードリップの講義のタイトルは「ドリップ抽出を『考える』」でした。
そうです、ペーパーに限らずハンドドリップと言うのはコーヒーとの対話、
絶えず粉とお湯にいったい何が起こっているのかを’考えながら’抽出していく、
それが良さのひとつでもありますが、常に気持ちが入る中で自然と微調整が入る、または’入れない’ため
出来上がりの液体の状態とは別に検証結果にも気持ちが入りかねません。
完全な定量化は難しいと思うので検証技術の方も上げていかねばいけないと思いました。

検証といえば、昔から良く言われてきた常識、たとえば「紙をリンスする」とか「お湯は落としきらない」
などには一つ一つに何らかの「理由」があってそれを考えていく事も必要ですが、
同時に疑う事も大事で、昔の常識は今の非常識、中には検証無しにただ語り継がれているだけのものもあります。

プロとしては常に抽出の「なぜ?」を考えて一定の答えは持っておく必要があると考えています。
自店の場合は店頭やコーヒー教室などを通じてお客様に説明しないといけないのでなおさら。
「~と言われています」は説明としては弱い。
「本に書いてあったから」「誰かが言っているから」等はプロとして全く答えになっていないと思います。
最近は正式な(?)入れ方、最新の情報だけでなくトンデモな意見も知って検証しておく必要があると感じています。
なかなか果てしない感じですができるだけ頑張って
それでも分からない事はきちんと分かりませんと言って恥をかこうと思っています。

話がずれましたが今回講師の方の説明がとても分かりやすかったのが印象的でした。
知っているという事と他人にうまく説明できるという事は全く別の話で、
簡単に、分かりやすく説明できるようになるには恐ろしく知っている必要があります。
以前に比べると最近少しはましになってきたと思いますが、
まだまだ簡素に、わかりやすく説明できているかは「?」です。
精進を続けていかなければと思った次第です。
いろんな意味で勉強になり、得るものの多い会合でした。
その全てはお店やコーヒー教室でお客様にフィードバックしていきたいと思っています。

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*