珈琲考

「手書き」も良いものです

こんにちはフクマメ店長です。
最近業務連絡ばかりでしたので、たまには別の話題を。

焙煎時の温度や時間の記録を計測・記録するための「データロガー」という装置があります。
工場等で使う大型の機械では昔から使われていましたが、最近では小型釜の世界でもだいぶ普及してきており、
大抵どの焙煎機メーカーもショップロースター向けの物をオプションで用意してくれています。
また、社外品でも計測ソフト付きの温度センサーが比較的安価で売られていたりもするので、
これらを導入してパソコン等で焙煎の記録を管理されている方も多いと思います。


弊店使用の焙煎機にも、マイスターには「シュライバー」という計測ソフトが、
ギーセンには純正のログシステムに加えて「クロップスター」という使いやすいシステムを簡単に組み込むことが可能です。


ログシステムはうまく使えばとても便利で有用でもありますが、
私たちはそれを使わずに「紙に手書き」というアナログな手法で焙煎記録を取っています。

ログシステムの良さは、いちいち見ていなくても勝手に確実に、かつ正確な記録が取れていく事です。
しかしそれがデメリットとなる事もあります。

味作りの段階ではともかく、日々のルーティンの焙煎の場合、いくつかポイントは押さえるものの、
基本的に「何かあった時」しかログをしっかりと見返して確認する事はありません。
と言っても、そう頻繁におかしなことは起こらない(起こってはいけない)ので、
計測した中で実際にデータを見る、特に細かな数字を隅から隅までチェックする機会なんて、
100回に数回かあるかないか、ではないでしょうか。
何事もなければ、百バッチ以上一度もまともにデータを見返す事がない、なんてケースもあるかもしれません。

手書きも同様に、実際に書き留めたデータが後で役に立つことは稀です。
しかし手書きの場合、自分で書き込む際に当たり前ですが必ず一度数字を見ます。
これがほとんど唯一と言っても良い、しかし大きな手書きの利点で、私たちが手書きを続けている理由です。

記録したデータを使うかどうかに関わらず、千回、二千回、三千回と書き込んでいくと、
蓄積していった数値がやがて感覚と結びつき、数字が意味を持って体に染み込んでいくような感覚を得る事ができます。
そうなると「何か」が起こるだいぶ手前の段階で、音と匂いに包まれる中、
自分が記入した数字そのものに「いつもと違う」「何かおかしい」などの違和感を感じる事ができるようになります。
また、ただの数字の羅列から何かが見えてくる、かもしれません。

とはいえ手書きの記入はなかなか大変です。
少人数で営む自家焙煎店の仕事は煩雑で何かと忙しく、焙煎中も豆の確認はもちろん、
焙煎以外の業務(ハンドピックやパッキング、カッピング、時に接客も)を同時に行わなければいけません。
ずっと数字とにらめっこしている場合じゃ無い、というのが現状です。


それを何とかしたいと思いながら、ずっと探していて見つけたのがこのタイマーです。
「1分」「30秒」など設定すると、セットした時間の3秒前から
「ピッ、 ピッ、 ピッ、 ピピッ」といった感じでカウントダウンしてくれます。
常に時間を気にする必要が無くなるので、焙煎中の豆のチェックや他の作業に集中できます。
見た目は少々あれですが、とても便利で、日々のデータ取りがかなり楽になります。

手書きでデータを取っている方には本当にオススメの道具です。
時節柄、サンタさんにお願いしてみるのも良いでしょう。
サンタのいない大人は自分で買って下さい。
ホームセンターやキッチン用品売り場では見つけられませんでした。
元々トレーニング用のタイマーなので、スポーツ用品店に置いてあるかも知れません。
私はアマゾンで購入しました。
色違いで同じシリーズのものがいくつかあります。
それぞれ機能が違いますのでご注意下さい。

タニタ(TANITA) タイマーバーシリーズ トレーニングタイマー 200分計 スピードピンク TD-405-PK
タニタ(TANITA)

☆追記☆
と、ここまで書いて確認すると生産中止(?)でプレミアム価格になっていました。
「インターバルタイマー」という商品ですので下の物も機能はほぼ一緒だと思います。

A&D 防水インターバルタイマー AD-5709TL
A&D(エーアンドデー)

(Ckeyin)デジタルタイマー デジタルインターバルタイマー インターバルトレーニングスポーツ用 安全ベルト?クリップ付
Ckeyin

☆さらに追記☆


買ってみました。
機能は同じですがより複雑な設定が出来ます。さらに防水機能付きです。
タニタのように3秒前からではなく、時間になるとそこから5回鳴ります。

‘相棒’

明日の営業と明後日の売り尽くしのためおそらく今年最期、
頭から数えると1218バッチ目(うち業務用は1170バッチ)の焙煎を今終えました。
機械を止めるために釜を冷やしている最中です。

私の相棒、この「マイスター5」という焙煎機を使い始めてもうすぐ5年、修行時代から数えると7年になります。
その前は2年間フジローヤルという機械で勉強してました。
フジはマイスターよりもアナログ寄り、操作も直感的な良い機械です。
今でもたまにフジで豆を焼いてる夢をみます。(マイスターはない;)

「マイスター」は、通常使う範囲においては非常にトルクフルというか、
ゆったり安定した焙煎ができる、とても使いやすい機械です。
そこから設定を変え、あえてバランスを崩すととたんにピーキーな面が顔を出してきます。
「遊び」が無くなり使いにくさが出るものの、そのレスポンスの良さとじゃじゃ馬を乗りこなす感覚が楽しくて、
コンペ用など業務以外の焙煎ではついリミッターを外して遊び倒してしまいます。

どんな焼き方をしてもギリギリ破綻しないのは、とりあえず一粒一粒に熱が入る攪拌性能のおかげでしょうか。
何にしても「打てば響く」、操作に対する反応の良さはありがたいです。
私の検証技術はこの相棒に鍛えてもらっている部分も大きく、感謝しております。

途中噛ましてあるインバーター制御のせいなのか、
使い始めた当初から自分の感覚と釜の反応、焼きあがった豆の味わいに
感じるか感じないかくらいの微妙なズレがずっとあって、もやもやする事も多かったのですが、
焙煎3000回を超えたあたりから急にサブダンパーの0.1目盛りが、
またインバーターの100回転が体になじんできて
手足の延長、とまではいきませんが前よりだいぶ直感的な焙煎が出来るようになってきました。
身近な例で言うと自動車のパワステやバイワイヤ系にようやく慣れてきたような感じです。
制御系に対するストレスが減った事で(むしろもっと細かい制御を入れて欲しいくらい)
単純にマイスターで豆を焼く事自体が楽しくなってきました。
まだもう少し機械と仲良くなれる余地も感じてるので今後も楽しみです。

珍しく(?)今年は1年間グズる事なく良く働いてくれました。
それだけでなく、今年は世界に繋がる扉まで開けてくれました。
本当にありがとう、お疲れ様と褒めてあげたいです。

来年もこの頼もしい相棒とともに「お客様にとってのおいしさ」を探し求めていきたいと思っております。
焙煎士ともども、どうぞよろしくお願いいたします。

Q


その言語や尺度が何のためにあって誰のために使うべき(または使うべきではない)ものなのか。
今一度じっくりと考えてみています。

味づくりの延長


延長というか基本というか。

今日は2週に一度の店休日でした。
コーヒー教室の後、焙煎機と排煙ダクトの掃除をしました。
焙煎機は使っていくと排煙経路にふわふわの綿菓子のようなススが付いていきます。
このススは油分を含んでいるため、あまり溜めこみすぎると火が着いて大変な事になります。
と、それはまあ最悪なケースですが、それ以前に排気不良で豆が上手く焼けなくなったり、
出来上がりの焙煎豆におかしな匂いがついたりします。
それを防ぐためにも排煙経路の掃除は大切な作業となってきます。

私は主に排気で焙煎をコントロールしている(焙煎人によってやり方は違う)ので経路の汚れには特に気を使います。
味がおかしくなるよりだいぶ前に、プロファイルから来る焙煎中のイメージと
実際の焼き上がりの豆の味わいに感覚的なずれが生じ、それが少しずつ大きくなってきます。
先手先手で、そうなる前に焙煎回数を決めて年に数回、定期的に掃除をしています。

今回はルーチンよりも少し早めでしたが、夏になって暑くなると作業自体が大変になるのと
梅雨の合間の貴重な晴れ間を無駄にしたくなかったのでダクトと焙煎機をばらして隅々まで綺麗にしました。
今日の福岡は30℃近くまで上がったので結局汗だくの作業になってしまいましたが、排煙経路はさっぱりしました。
これでまた明日からストレス無く思い通りに豆を焼くことができます。

グラインダーについて 検証(2)

肉も記事も腐りかけが旨い。
いい加減ほったらかされ過ぎて、腐敗と発酵が。。。

以前行ったグラインダー検証記事の続きです。

前提として今回の検証は機械に優劣を付けるために行ったものではありません。
主な理由は後述しますが、その中にグラインダーの「性能の一部」としての
機種による味や香りの出方の違いの確認と、実際の使用感の聞き取りがありました。

参加者は12店舗15名。大手ロースターや老舗珈琲店で働かれている方、
スペシャルティコーヒーのロースター、バリスタ等々。Qグレーダーも5人。
普段から業務でコーヒーの味わいのチェックをしている方ばかりですが、
「ヨーロッパ式」や「アメリカ式」、はたまた「自社独自の物」だったりと、
各々慣れた評価フォームに若干の違いがあります。
今回の目的が製品としてのコーヒーを評価する‘テイスティング’という事もあって
結局伝統的な日本式(?)の評価フォームで行いました。


まずものさし、基準となるカップを一つ決め、それを元に相対的な
〔香り〕〔酸味〕〔苦味〕〔甘味〕〔コク〕〔液体の濃度感〕の「量」をチェックします。
同時にその「質」や飲んだ際の「印象」もコメント欄に記入してもらいました。(最終的にはこのコメントを重視します)
意味が無いので点数等は付けませんでした。

評価としてはわりとざっくりとした物となるものの
最終的な製品(コーヒー)に対する一般消費者の印象に近いため
今回の検証の目的には合っていたと思います。

使用するコーヒー豆は全て同じ物、中米産のスペシャルティクラスの焙煎豆を用意しました。
豆によるカップのバラつきは比較的少なかったと思われます。(それでも多少ありました;)

コーヒーの抽出方法は品質評価で良く使われる浸漬式(粉を直接お湯に浸す方法)と呼ばれる方法で行いました。
気になった物は別にドリップ方式でのテイスティングも行っております。

評価フォームは回収し、その場で香味についての意見の交換、刷り合わせは行いませんでした。
各々が直接飲んで感じた印象、それが全てです。

ただ、後日皆のコメントをまとめてみるといろんな事が見えてきます。

ある程度わかっていた事とはいえ、実際に飲み比べ体感してみると
グラインダーによる味や香りの出方の違いは思いの外大きく、皆一様に驚かれていた様子です。
個人的にも事前に抱いていた印象に近いものが大半を占める中
良くも悪くも印象を覆されるものなどもあり、興味深い結果となりました。

つづくか

カカオとコーヒー

お久しぶりです。
時間的にも気持ち的にも余裕が無く、中々インターネットに繋げない日々が続きます。
ツイッターは、たまに携帯で投げっぱなし的につぶやいています。
ほとんど確認もできていませんので返信等遅れる事も多々あります。ごめんなさい。

さて明日(今日?)はバレンタインデーですね。

先週の新聞にチョコレートの特集が載っていました。
コーヒー豆もカカオ豆も気温の変化の少ない赤道付近、北緯25度~南緯25度(カカオはもう少し狭いのかな?)、
高度の違いはあれ、かなり近い国や地域で栽培されています。
果実から取り出した種を発酵、乾燥処理し、焙煎、粉砕して使用する等共通する点も多くあります。
そして、記事を読む限り、生産農家が抱える問題(貧困や教育等)やそれに対する対策も、全く同じ様子。
読んでいてこれはコーヒーの記事なのではないかと何度も思いました。
記事はシングルオリジン(単一農園もの)の話や華やかな一流のショコラティエの話で〆られます。
そこでまた、これはコーヒーの記事ではないかと思ってしまうのです。

こういった生産国の様々な問題を考えると胸が締め付けられます。
もちろんコーヒーやカカオに限らず、ゴムでも砂糖でも、
いや、海外から輸入する物ほとんど全て似たような問題を抱えているのでしょう。
ただ私は現在コーヒーに食べさせてもらっていて、普段接する機会も多いため
日常的にはやはりコーヒーを取り巻く環境が気になります。

考えだすと止まらず、朝まで悩んでしまう事もしばしば。結局の所どうすれば良いのか・・・。
己の力の無さを嘆くばかりでしたが、最近ひとつ答えが出ました。

それは

『ただ直向に目の前にある自分の仕事をきちんとする』

というもの。これは諦観ではありません。
全てを変えられる可能性がそこにしか無いと気付きました。

うまく伝えられそうにありませんが、ざっくりと。

価格も含めた今のコーヒーの価値は今までの長い歴史や構造の中で決められたものです。
今のままの価値でコーヒーが飲まれ続ける以上、世界が大きく変わる事はおそらく無いでしょう。
誰かが得すれば誰かが泣きます。’win-win’なんてのは、たぶん何かの勘違いです。
どこかの誰かに痛みを押し付ける事無く、全体としてゆるゆると続いていけるようにするには
最終的には飲み物としての珈琲の価値を今より上げていくしか方法はない気がします。

今コーヒーは一杯数百円というのがだいたいの相場ですが、
それが例えば一杯1000円くらいの価値がある飲み物になったら?・・今よりちょっとは良くなるでしょう。
一杯2000円になったら?・・大きく世界が変わるかもしれません!
実際の所は一杯数百円のままでもかまいません。
ただ、1000円、2000円払う価値があるものが300円くらいで売られていたら・・もうそれしか飲むもの無いでしょう!

む、興奮してきました。
それではその「価値」を誰が、どうやって上げていくか。
現在生産や流通の仕組みを変え、コーヒー生豆そのものの品質を上げていく取り組みが各地で行われています。
一部地域にはすでに良い効果も出てる様子で、そういった活動はぜひ継続していってもらいたいものですが、
それだけで全てを変えるには無理があるようです。

近年、段々と同じ取り組みが「出来る地域」と「出来ない地域」が見えてきています。
高品質なコーヒーは作られる「土地」も選びます。
同じ国や地域で勝ち組と負け組が生まれつつあります。
特別に選別された単一農園産の素晴らしい品質の珈琲を飲むたびに私はいつも
その近くの農園や、そこから数百m下った農園の珈琲がどうなっているのかが気になってしまいます。

高品質コーヒーが採れるような新たな土地の開発も進んでいますが、どうでしょう。
コーヒーが農作物である以上病害虫の被害や気候の変動などの影響も避けられません。
「生豆品質の向上」にもいつかは必ず限界が来ます。

その「限界」を超えてさらにコーヒーの価値を上げることができるのは結局の所私たち最終提供者しかいません。
方法は焙煎、抽出、サービス等々。場合によってはそれが「ストーリー」でもかまわない気がします。
品質至上主義の私たち作り手も「ブルマン神話」に学ぶ所は多くあると思います。
「腐すより学べ」・・・座右の銘です。

兎にも角にも、手元に届いたコーヒー豆、それがどんな物であろうと、最低限その価値を減衰させる事無く、
可能な限りより高い価値を付け、他のどんな飲料にも負けない素晴らしい嗜好品としてお客様に提供していく。
そのために必要な、選別や焙煎、抽出、鮮度管理、そしてお客様への説明。
古くて地味だけど、どれも外せない大切な仕事だと気付きました。

それら一つ一つの仕事の質を極限まで高めていこうと思います。
小さなコーヒー屋のいち焙煎人に出来る事はそれしかありません。
それで世界が変えられるかと言ったら、・・・うーん・・・わかりませんが、可能性はそこにしかないと思うので。
そもそも、もっともっと価値を高めないと我々コーヒー屋が真っ先にアンサスティナブルです

素材以上の「味」を生み出す事はできませんが、素材以上の「価値」は生み出せると思います。
それをするのが、それが出来るのがプロでしょう。
ゼロから生み出した価値に対してお金を頂戴する。
「手間賃」だけで食べていける時代でもありませんしね。

簡単な事ではないけれど、それが出来れば低地産の珈琲も、ロブスタ農家だって救えます。
当たり前ですが、どちらも「人」が作っているのです。
そこは忘れないように気をつけたいと思います。 

以前パナマの農学者の方にいただいた
 「あなたもコーヒーの世界のピースのひとつです」
と言う言葉が強く心に残っています。
この広く、素晴らしい珈琲の世界の一部であるという事に誇りと責任を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。

と、酔いに任せて盛大につぶやいて見たところ、チョコレートとあまり関係ない話になってしまいました。
ろれつの怪しい、取り止めない乱文申し訳ありません。

コーヒー屋は普段はこんなんです。
コンビニに並ぶインスタントコーヒーの瓶を見ても本当に色んな事を考えてしまいます。
チョコレート屋さんもチロルチョコを見ながら、食べながら悶々としてしまうのでしょうかね。
一度聞いてみたいものです。

グラインダーについて 検証(1)

書家の筆。侍の刀。
仕事に使う道具に拘りを持つのはプロとして大切な事だと思います。

焙煎機や抽出器などコーヒー屋もいろんな道具を業務で使用します。
どれも大事な物なので何が欠けてもだめですが、その中で「一番重要なものは?」と問われたら、
私は 「グラインダー(コーヒー豆を粉に挽く機械)」 と答えます。
命の次に大切・・・というと大げさですが、まあそれに近いくらい大事だと思っております。

そのグラインダーについて。

業界にいると「◇◇製の○○が最高だ」とか「▲▲は微粉が少なくて良い」とか「■■はクリアな味になる」とか、
とにかく色んな噂を耳にします。
はたして、それはどこまで本当の事なのでしょう。
良く聞くとその風評の大半は単にメーカーの売り文句だったり、
分不相応に高価なミルを買った(買ってしまった)店主の自己暗示が漏れ聞こえてきたものだったりで、
信憑性の程は???だったりします。

そんな「聞いた話」で本当の事は何もわかりません。
やはり飲んでみないと。調べてみないと。

と言うわけで。

過日、福岡の珈琲屋有志の集まりでグラインダーの検証会を行いました。


ミルミルミルミルミルミル・・・


ミルミルミルミルミルミルミルミル・・・


並びきらない程のグラインダーと、入りきれない程の人、人、人。

参加者は12店舗15名。
各自お店やご家庭で現役で使っている機械を持ち寄ってもらいました。
集まったグラインダーは業務用、家庭用合わせて全19種類+2種。
国産だけでなくスイス製やドイツ製、イタリア製等海外メーカーのものも数多くあり、
業務用から家庭用まで、現在国内で使われている機械の大半はカバーしていると思います。

個人でこれだけ様々な種類のグラインダーを横並びで比較検証できる機会はそうない上、
中には大変希少な国産の小型3段ロールグラインダー(お値段なんと1台200万円超!)や
これまた珍しい家庭用のハンマーミルなどもあったりして、とても貴重な体験となりました。

役割

一枚の絵を鑑定するとして、同じ「プロ」でも作家と画材屋と画商と評論家では見方が異なります。

先日著名な生豆商社のカッパーの方とカッピングをご一緒する機会を得ました。
高品質なコーヒー生豆を産地で探して買い付ける専門商社の方です。
直接的ではないものの当店も大変お世話になっております。

その方の豆の本質、焙煎の意図等を見抜く能力はもちろん素晴らしいのですが、
品種や栽培条件、精製の状況等をベースにした産地の風景まで感じさせるコメントにプロフェッショナルを感じ、感動しました。
まさに餅は餅屋。生の事は生屋に聞け、そう思いました。

自分が何屋か問われたら「自家焙煎珈琲店店主」と答えるでしょう。
カフェでも、ビーンズショップでも、ロースターでも、喫茶店でもない「自家焙煎店」のオーナーロースターです。
同じコーヒーを扱う仕事なので同じように見えても、それぞれ大きな違いがあると思ってます。

業界の中ではけし粒のような存在で相手にされる事も少ない自家焙煎店ですが
大きな資本を持ったロースターや外食産業が同じ事をしてうまくいかないケースを見ていると
それはそれで、独自のノウハウといったものもあるのかなと感じています。

プロというのは‘わかっている’異業種・異業態の人間に
「餅は餅屋。かなわんなぁ」
と思わせるくらいのものがないといけないと思っています。
他の人がしないから、できないからこそ、やる。
しっかりと自分の立位置を見極め、そこを見失わないようにしながら、私は私の道を極めていこうと思いました。