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JCTC2011 その5

忙しさにかまけて全く進まないブログですが
忘れかけてる記憶を掘り起こしながら極一部の方のために懲りずにアップします。

さてさて、結局件の5セット目は不正解でした。
[正解数7/8、タイム2分50秒]が今年の私の成績です。
昨年の予選の結果と今年の参加人数、そして実際に啜った感覚から、終了直後には「終わったなぁ・・・」という寂しい思いがありました。
ただ「違いが分かる」と言う事に重点を置いて一つ一つのカップの味を丁寧にみる、
「きちんとカップと向き合う」という今年の目標は達成できたので意外にすっきりとしていたと記憶しております。
最後外してしまいましたが、それは策におぼれたと言うか、分かって外した部分もあったので納得しています。
むしろ違うと思って正解だった方がモヤモヤしたかもしれません。

この大会に出るにあたって一月ほど前から競技の練習をしました。
昨年の練習とほぼ同じ難易度の問題を同じセット数行ったのですがデータを採ってみると今年は平均タイムが昨年よりも1分以上早くなっていました。
昨年の最速タイムが今年の平均タイムといった感じです。
また全問正解率も15パーセント程上昇していて驚きました。
それまでの一年間、特に何を練習したわけでもありません。
業務の中でただひたすら「基本に忠実」に一つ一つのカップをゆっくり、じっくりと見ていた、それだけです。
逆にこの競技の練習だけしてもタイムや正解率の底上げはほとんどみられず、
やはり味覚評価の技術を上げるのは一朝一夕ではいかないなと実感した次第です

中にはこの競技を見て「こんな『当てっこ』に何の意味があるんだ」と腐す方も少なからずいるそうですが
しかしまあ、そんな事言い出したら・・・(苦笑)。
たしかにこれは「競技」で、ゲーム的な要素を多分に取り入れた、業務でやるカッピングとはまた少し違ったものです。
ただ陸上競技でも何でもそうでしょうが、ある競技の裏には個人の能力だけでなく日々の研鑽などもあるわけで、
本質は競技そのものではなく別の所にあると個人的には思っています。

協会のテクニカルスタンダード委員会や世界中のコーヒー協会がこの競技を推している理由。
またQグレーダーの試験でカッピングテストと全く同じ回数(計5回)このトライアンギュレーションテストを行う理由。
いろいろ考えてもこの「当てっこ」には何か意味はありそうです。
実際競技に参加してみた感じでも、カッピングの本質の「どこか」に繋がる部分があるという実感を得る事はできました。

と、それはさておき、練習の段階で今年の私は去年の自分を圧倒していました。
私は自身のスキルアップのためにこの競技に参加していますので、この事実だけでもう十分です。
準決勝に残れなかったのは他の方に比べて圧倒的に実力が不足していた、ただそれだけの事でしょう。

この競技会は分かりにくい自分の能力の一部を測る良い指標となっています。
また機会があれば参加したいと思っていますが、その日のためではなく、
毎日お越しいただく弊店のお客様のカップのために
イチ技術者としてカッピングを含めた全ての技術を日々磨き続けていきたいと思います。

JCTC2011 その4

へコー!の続きです。

昨年の準決勝では、朝の4時から6時間緊張・集中しっぱなしだったのが競技5分前に緊張の糸が切れ、
本番超グダグダだったという苦い経験から今年は根を詰め過ぎない様に注意しました。
直前までヘラヘラしていてもカップの前に立ったその時集中出来ていればOK。
30分は意外と長いのでとりあえず集中を解きました。

休憩時間中はT氏とどれくらいのペースででいくのか腹の探りあい(笑)をしていました。
一応その時に決めてた私のターゲットタイムは2分~2分30秒です。
時間だけみるとずいぶん速めで、会場の空気も読めてない感じですが、
無茶するつもりでも何でもなく、実はわりと色々な理由やうすいながらもちゃんとした根拠があっての数字だったりします。
(忘れましたがT氏もあまり変わらないくらいのタイムだったような・・・)
何はともあれ、競技直前に休憩が入ってずっこけていた所、お陰でリラックスして過ごす事が出来ました。

さて、そんなこんなでいよいよ競技開始です。
前日は営業後に深夜バスで神戸入り、車内で全く寝られず貫徹状態で体調は最悪でしたが、
ナチュラルハイなのか気持ちは意外にのってて良い感じ。

ただ、緊張なのか興奮なのか、久々に手が震えました。

<速過ぎて残像が!・・・ではなくプルプル震えているだけです>

手が震えて困るのはスプーンで掬ったコーヒーをかなりこぼしてしまう事です。
そうっと口に運んだり掬い直したりでいつもより余計に時間がかかってしまいます。
(全24カップを何度も啜るので1回1秒遅れただけでもトータルではかなり違ってきます)
さらに掬う液体の量が違うと同じコーヒーでも印象の強さが変わってしまうため正解率にも悪影響を与えます。
はっきり言って良い事はありませんが、アドレナリンでも出ているのでしょうか、
こういう時って意外に集中していて、味や香りははっきり分かるから不思議です。
震えが止まるまで待つ時間的余裕などありません。
きちんと一定量を掬う事は出来ないものの、仕方が無いので頭の中で印象に補正をかけながら味を見ていきます。

M氏の事もあって最初のセットは少し慎重に啜りました。
その後4セット目まではすんなりと行きましたが、5セット目と6セット目で引っかかります。
(やはり他と難易度の異なる問題が含まれていたようです)


<問題の5セット目>

7セット目、8セット目はすんなり行き、ここで終わろうかと思いましたが
5セット目の答えを出した時に感じた違和感が頭に残っていたので味を見直す事にしました。
(終了の合図、手を上げるまでは答えの変更が可能です)

5セット目に戻って味をみると案の定、先に自分が出した物とは別のカップが答えのような気がしました。
慎重に啜り直すと、うん、やはり答えが違うように感じます。
さらに何度か繰り返し啜っても、、やっぱり違います。

これは・・・

と、少し悩んで・・・

「終わります」と手を上げました。

結局答えは変更しませんでした。
一応「後から選んだ物の方が正解率は低い」という考えがあっての事ですが、
それよりも変える勇気が無かったと言うのが本当の所です。
その時の自分の感覚よりも、拙い経験に頼ってしまいました。

競技は終わったものの、口の中にはまだはっきりと味わいの感覚が残っており
「ああ・・やってしまったかな・・・」という思いがぐるぐるぐる。。


<生殺しの5分間 他の競技者が終わるのを待ちながら猛省中>

それよりも何よりも、あれ程違うと感じてなお変えるつもりが無いのなら、
最初から8セット目が終わった時点で手を上げておくべきです。
答えを外したであろう事よりも、全く意味のない、無駄に数十秒を使ってしまった事を後悔してました。

こんな事してちゃダメです。。。

つづく・・・

JCTC2011 その3

今月はイベント事が多く、一月も経っていないのに神戸に行ったのが随分昔の事のように思えます。
半ば忘れかけてたのですが「続きは?」という方が結構いらっしゃいますので、しつこく当日の様子をお伝えします。

さて、ワクワクドキドキの抽選を経て予選が始まりました。

福岡組では森さんが一組目。
昨年初参加ながら<予選1位-準決勝1位-決勝2位>と他を圧倒する力を見せ付けた実力者です。
誰もが認める天才肌のカッパーで、この人が判らないカップなんてこの世にない気もするくらい。

昨年は予選から全て完璧に当ててきたのに決勝で一セット外して優勝を逃していました。
その悔しさからか、本番直前には「今年は絶対に外さない!」と宣言。
やる気十分です・・・がその表情はかなり緊張気味でした。
今年一等最初、一発目の競技者とあっては仕方がないでしょう。

初っ端から昨年準優勝者の登場、今年の問題の難易度をはかる上でも会場の注目が集まります。
そんな中カウントダウンからスタート。闘いの火蓋は切って落とされました。


競技中の森氏。

1セット目、2セット目はススッといったものの、3セット目から慎重に。
特に2つのセットを念入りにチェックしていました。(・・・ふむふむ)

見てる方も緊張します。
皆が固唾を呑んで見守る中、一番手5分50秒でフィニッシュ。
他の方も6分~7分台と、慎重な立ち上がりにざわつく会場。

そしてその後の答えあわせで場が凍りつきます。
なんと絶対に外さないイメージの森さんが2つのセットを外してしまいました。
本人はもちろん、誰もが順当に勝ち進むだろうと思っていた実力者のまさかのミス。
そして全問正解者もゼロ。。。
この瞬間「今回の問題は相当難しい!」というような空気が生まれたような気がします。
そしてその「空気」に会場は次第に飲み込まれていくのです。。。

森さんが外したのは全く迷わずに選んだ1セット目と2セット目でした。
後半慎重に味を見ていた、難しいと思われる2セットは両方とも正解。
信じられない状況に、何が起こったのかたずねると、
「スタート直後、気持ちがふわふわして集中できていない事に気付かないまま選んでしまった」
との事。

これがあるからこの競技は難しい。
傍から見てると「なぜ判らないかが分からない」かもしれませんが、
通常100回やって100回わかるもの、例えば「酢と水」くらい違う液体でさえも
こんな特殊な環境下では分からなくなる可能性があります。

一見フィジカルな感覚と思われがちな味覚や嗅覚も、実はかなりの部分メンタルの影響を受けています。
全ては気の持ちよう。本当に人間の感覚はわかりません。
最近ではカッピング技術≒心の、意識のコントロール技術、なのかなと思ったりもしています。

さて、この「今年の問題は難しい」という意識が働いてか、
この後も全員が6分~8分ギリギリと、かなり慎重な競技が続きます。
さらに前半12人が終わった時点で全問正解者は1名のみ。
これ以上無いくらいの重い空気が流れる中、あっという間に4組目、自分の番がやってきました。

「まさか」の衝撃から動揺を抑えつつじわじわと集中を高め、
さあいくぞ!と気合を入れたその刹那

   「今から30分の休憩に入ります」

20数年ぶりに「ヘコー!!」という言葉を思い出しました。

つづく(?)

JCTC2011 その2

JCTC西日本予選の様子です。
今年の西日本大会は昨年より多い24名で争われました。
オリエンテーション後、くじ引きで競技順を決めます。
この競技ではこの順番がとても重要になってきます。

カッピングにおいて「正確さ」と「スピード」はトレードオフの関係にあるのですが、
この競技では「他の競技者より1問でも多く正解すれば、また1秒でも早く終われば勝ち」という条件の中で、
味の判別が出来る限界ギリギリのライン、どれくらいのリスクとマージンを取ってチャージしていけるか、
そのバランスの取り方が勝敗を分ける大きなポイントとなってきます。

となると当然、何の指標も無く「一か八か一発勝負」の前半組よりも、
問題の難易度や勝敗ライン(目標正解数やターゲットタイム)が見えてくる後半組の方が圧倒的に有利になってきます。

私は過去の大会全て前半組だったのでとにかく「後ろで」と念じながら引きました。
その祈りが通じて16番。1組4人ですので4組目となかなかの好位置です。

他の福岡組は昨年準優勝の森さんが1組目でちょっとやってしまった感じ、
ディフェンディングチャンピオンの田原さんは最終組を引き当て

この表情。
大物は遅れて登場ですね。
去年は決勝寝坊して大遅刻、なわりにはくじは後半組。
思えば彼はいつも良い位置に付けています。
やはり何か持ってるのでしょう。

とまあ、そんなこんなで2011年の競技会、僕らの夏(笑)は始まりました。

JCTC2011 その1

カップテイスターズ予選の結果が発表されました。今年はなんと通過者全員が全問正解です。
私はタイムこそ2分50秒とそこそこ良かったものの、一番大切な正解数が7/8なので当然のごとくダメでした。
今回も本番では色々とあり、寂しい気持ちもありますが後悔はしていないので良かったです。
応援してくださった方々に御礼申し上げます。
ありがとうございました。

準決勝進出の皆様、本当におめでとうございます。
予選の結果から本選は今まで以上にハイレベルな争いになる事が予想されますね。
この競技は見るほうも熱くなれるのが良いところです。
これからは観客として応援にまわり、本番のヒリつくような戦いを熱望いたします。
皆様が最高のコンディションで本番に挑めるよう今から祈っております。

さて、結果だけ見ると「東高西低」とでも言うのでしょうか、
関東大会から7名、関西大会からは前年チャンピオンの田原さん1名のみという偏ったものになりました。
関西予選を共に戦った身として悔しくて寂しい気持ちは当然ありますが、
客観的に見ると興味深い結果になったなという思いもあります。
実はこの結果自体、関西予選が終わった時点ですでに可能性として予想されていた気もしています。

言われている、別の開催日による条件の違い(情報の格差や、使う器具や豆の状態の違いなど)を
細かくあげればもしかすると何かあるのかもしれません。
ただ、個人的にはその辺りはほとんど関係なく、偏りを生み出した要因は全く別の所にあると思っています。
そしてそこにこそ、この競技の怖さというか、面白みが凝縮されているんじゃないかと、少し不謹慎な事を思ってたりもしますが、
その辺りは機会があればまた。

次回は関西予選の様子をお伝えします。

10月の営業のご案内

こんにちは。
9月は出張だらけの父にあまり絡むことのなかったこども店長です。
ペンを使うのにもだいぶ慣れてきたので宇宙語で帳簿をつけております。


10月の営業のご案内をホームページにアップしておりますのでご確認ください。


営業時間 11:00~19:30 (カフェラストオーダー 19:00)
定休日  水曜日・第2、第4木曜日

☆店休日や営業時間外でも店主がいる場合豆の販売には対応させていただきます。
どうぞ気軽に声をおかけください。

★16日(土)と30日(土)はコーヒー教室のため13時からの営業とさせていただきます。

<<10月のコーヒー教室>>
★基礎編 ・13日(水)13時~ ・30日(土)10時~ 
「コーヒーの基本とペーパードリップ抽出」
★応用編 27日(水) 28日(木)日田リベルテ 14時~・19時~
「いろんな抽出」 ペーパーやネル、サイフォン、フレンチプレスなどを使って入れ比べ、飲み比べ。
         様々な抽出法にチャレンジしてみませんか?

費用は店舗では基礎編・応用編ともに1500円となります。前日までにお申し込みください。
※お子様連れの方は調整いたしますので事前にその旨お伝えください。
 お受けできない場合もございます事ご了承ください。
 その場合可能であれば別の日に貸切や出張という形で対応させていただきます。
 気軽にご相談ください。
☆貸切や出張によるコーヒー教室を随時受け付けております。
 時間や日程はできる限り調整いたします。
 内容や費用についても気軽にお問い合わせください。

TEL/FAX 092-502-5033
お問い合わせフォーム

切磋琢磨

同日午後「ローストマスターズチャンピオンシップ」が行われました。
全国を6つの地域に分けてチームごとに焙煎の技術を競います。
ルールは指定された「ルワンダ」のコーヒーを使って各チーム自由に焙煎。
味の良し悪しで勝負を決します。
審査はプロの審査員が審査する「招待審査部門」と会場の方に飲んで投票してもらう「一般審査員部門」。
公正を期すため招待審査員は全員海外の著名なカッパーの方々です。

私たち九州チームは一回目の会合でサンプル焙煎をして味の方向性を決めました。
またチームをいくつかの小隊に分け役割分担。
インターネットでのミーティングを重ね、本焙煎では「チーム内コンペ」を行い、
カッピングから一番コンセプトに近い豆を勝負豆として提出しました。


本番前の舞台裏。F1のピットのようです。
ほんとにギリギリまで一般審査員部門用の抽出液の味あわせを行っていました。
味にはとことん煩い九州チーム。
一般審査の抽出液濃度を他のチームと微妙に変えて(標準+6%アップ)挑みます。


一般審査中。
今年は本当に多くの方に飲んでいただくことができました。(舞台裏は戦場でした)

そして結果は・・・
招待審査員部門 優勝!!
一般審査員部門 準優勝!!

見事去年のリベンジに成功しました。
特に狙っていた招待審査員部門で優勝できたのが嬉しかったです。
結果がでる以前に審査員のカッピングのコメントを聞いているだけで涙が出そうになりました。
思いは伝わるものなんですね。
実際に自分が焼いた豆でもないのにここまで入れ込めるのはやはり「チーム」だったからでしょうか。
今年は若手や女性も加わってとても良い雰囲気、一体感でもって準備を進めることができました。

結果も嬉しいですがやはり大事なのは過程ですね。
去年までと違い今年は一歩下がって見るようにしていたのですが(ユニフォームは真剣に作りましたがw)
意外にそちらの方が良く見える事などもあって本当に勉強になりました。

普段はライバル商売敵の各店舗が共に真剣に焙煎と向き合うことでレベルアップをはかり、
結果地域に貢献できるというのは素敵なことだと思います。
特に今年は同じチームの田原さんと森さんがカップテイスターズで1,2フィニッシュをしたり、
バリスタチャンピオンシップやサイフォニスト選手権でも九州のバリスタ、
サイフォニストが好成績を収めていたり、なんとなく九州全体の大きな盛り上がりを感じました。
私もこの間に得たものを糧にして、これからは自店で真剣にお客様と向き合い、
日々の営業を頑張ることで結果九州、福岡、白木原の皆様の
良きコーヒーライフのお手伝いができたらと思っております。

ローストマスターズ

今年もSCAJのローストマスターズに参加します。
九州チームは一昨日大会用の豆を焙煎しました。

各焙煎士がプロバットとディードリッヒという2種類の釜を使って焼きました。
同じ人が焼いても釜が違うとやはり味は違います。
釜ごとの共通した味わいも感じられました。
それがいわゆる「釜の味」なのでしょうか。
釜や設定によっても火の入り方などが微妙に違いますからね。

もっと違うのは「同じ釜で焼いた人が違う」ものです。
カッピングは全部ブラインドで行ったのですが、
各カップに「焼いた人の味」がきちんと出ていて
「おお、違う釜でもこの味をだすんだ」などと
味見しながらずっとニヤニヤしてました。

この中から「甲乙付けがたし」のうちの一つを勝負豆として提出します。
良い結果が得られるともちろん良いのですが、
それよりも今年は「焙煎」がテーマですので他のチームがいったいどんな焙煎をして
どんなコーヒーを出してくるか、そちらの方が楽しみです。

今年は会場にお越しいただいている皆様にも各チームのコーヒーを飲んでいただき、
その中でお好みのコーヒーに投票してもらって勝負を決します。
日本中のロースターが気合入れて作ったコーヒーを楽しんでいただけるまたとないチャンスです。
どうぞ皆様奮ってご参加ください。
チャリティで販売もありますので気に入ったチームのコーヒーはお買い求めいただけます。


販売用。
200g入っています。

芸術の秋。鉄道の秋。

先日大阪よりお越しいただいたお客様。
窓際の席に座りブラインドを上げてずいぶん熱心に電車を眺めていたので
気になって声をおかけすると
「電車が好きで全国の鉄道を見て回っている」
との事でした。

マニアックな雰囲気の全くない綺麗な女性でしたのでそれが意外で驚きました。
話を伺うと息子さんが幼い頃一緒に見てるうちに自分の方が好きになったそうです。
おお、これが噂に聞く「鉄女」さんですか、と思ったのですがこのお客様、
ただのマニアではありませんでした。

ただ普通に見て回る、写真に撮って回る、のに飽き足らず、
なんと粘土でミニチュア車両を作ってしまったそうです。
その数なんと200数十体。

作品の写真を見せていただいたのですが細部まで恐ろしく精密に再現されていている上
きちんと可愛らしくデフォルメされている事に驚かされます

粘土作製用の取材ノートを少し見せていただくと読めないくらいの小さな文字でびっしり、
本当にこういうのを「びっしり」と言うんだなというくらいびっしりと、
車両の特徴(例えばパンタグラフを取り付ける部分の型式とか形状とか)が書かれていました。

こ、これは凄い、只者ではないな、、、
と思っていたらプロのアーティストさんでした。
それはそうですよね。
今度個展が開かれるそうです。

《 浦田容子作品展 『CLAY TRAINS』 》

【由布院】 2010年9月25日~10月20日
由布院駅アートホール
9:00~19:00 (最終日は16:00まで)
〒879-5114
大分県由布市湯布院町川北8-2 JR久大本線 由布院駅構内
℡ 0977-84-4678

【大阪】 2010年11月4~11月12日
ギャルリ・ーセンティニアル
13:00~19:00(土日と最終日は17:00まで)
〒540-0021 大阪市中央区大手通1-1-10-102
℡ 06-6943-5892

200数十体と言いましたが取材車両自体はもっと沢山あるそうで
個展には400台近く出展する予定だそうです。
現在鋭意製作中、腱鞘炎をおして追い込みで製作しているんだとか。
すごい;

これはマニア垂涎、鉄道好きな方もそうでない方も必見でしょう。
最近「きゅうこう」が言えるようになった息子を連れて私も伺いたいと思っております。

aipカフェ

大名のNPO「高度IT人材アカデミー」さんが主催するaipカフェに行ってきました。
aipカフェはタチオさんが手掛けたのでうちとは兄弟店(?)
行ってみたかったのでお誘いを受けて嬉しかったです。
「リアルルイーダの酒場」を標榜しているだけあって
中には本当にいろんな職業の方が集まっており、
何かが生まれる空気に満ち溢れていました。

今回はコーヒーのイベントという事でお誘いを受けました。
aipカフェがやっている「水曜どうしよう」というネット配信番組の企画で
いちおう「福岡のカフェシーンを語る」というテーマがあったそうですが、
「とりあえずビール」を飲んでいるうちにだらだらっと放送が始まり
そのままの流れでどどどどっと抽出しましょう!という事になって、
各々いろんな抽出器具を説明しながら抽出しました。
私も器具やら豆やらをマンリーコーヒーさんに借りてドリップをしました。
(ありがとうございます助かりました;)
強烈なオーラを放つメインコメンテーターの方の、香味に対する評価が素晴らしく的確で、
会場の方にも器具や豆による違いはよく伝わっているようでした。

自分の出番が来るまで隣でただひたすら飲んでいた(4本くらい?)
美松珈琲貿易の雲田さんが最後の最後で飛び道具、
『パナマゲイシャエスメラルダ』を出してきてフレンチプレスで入れました。
味はもちろん「50グラム3000円」というその販売価格に会場は騒然。
完全に全部持っていってました(笑)。
(ちなみに当店でも秋か冬頃にこの同じ「パナマゲイシャ区画No.1」を
お出しする予定ですのでどうぞお楽しみに【宣】)

こういったイベントは初めてでしたが意外に緊張はしませんでした。
場に満ちているグダグダな感じが良かったのでしょうか。
色んな方のお話を伺ってみたいのでまた機会があれば誘ってください。

終わって下の餃子屋さんで雲田さんとダートの森さんとお疲れ会。
ここ、中々安くておいしくて、良かったです。

真剣な顔でキャリブレーション中のお二人。