“覆された宝石”

『森光宗男メモリアルコンサート』

DSC_0540

先日行われた珈琲美美の森光マスターの追悼コンサートに行ってきました。会の前半、大坊さんと小坂さんの対談の中で目から鱗というか、そういう事だったのかと合点がいくお話がいくつもありました。森光さんにとっては森光さん自身が、また森光さんに影響を与える世界の全てが珈琲だった。翻って森光さんを取りまく世界、人や音楽、美術などもまた森光さんだったのでしょう。先にそのお話があったからなのか、演奏が始まり森光マスターを愛する方々とその空間を共有する中で森光さんや珈琲美美を強く感じる事が出来ました。歌も演奏も素晴らしかった。もうすぐ一年になるのにいまだに気持ちの整理が付いておらず始まるまでは落ち着きませんでしたが、行けて本当に良かったです。

続きを読む

台湾の林さん

台湾の林さんが遊びに来てくれました。

林さんはスイーツの会社を経営するかたわら、コーヒー関連では台湾と中国で専門紙の発行やスクールの運営などをしています。今は 続きを読む

サポーターの皆様に感謝致します

この度は弊店スタッフの世界大会挑戦に関して、多くの企業、店舗、個人様より、協賛金をはじめ、有形無形、数々のサポートをいただきました。
選手、スタッフ一同、心よりお礼申し上げます。

ご協賛一覧(五十音順,敬称略)

特別協賛

・CAFE DUDART
・株式会社プロピア

協賛 
・In The Park
・江崎珈琲店
・カフェトライブ
・COFFEE COUNTY
・seed village
・Tanacafe+CoffeeRoasters
・TOMOMO COFFEE
・焙煎屋 平尾店
・MANU COFFEE
・豆乃木
・MANLY COFFEE
・MOMENT COFFEE
・MIMATSU SPECIALTY COFFEE ROASTERS
・MANLY COFFEE

取り急ぎ御礼にて。
カンパTシャツに関しては200を越える企業や個人の方からTシャツ購入を通して協賛いただきました。代表してTシャツの販売協力店を掲載させていただいております。
他にも多くの個人の方から温かい餞別をいただいております。本当にありがとうございます。
今回の取り組みに関しては後日、当ブログで紹介させていただきたいと思います。

チョコとコーヒー

もうすぐバレンタインデーですね。
お菓子屋さんは忙しくされている事と思います。
コーヒー屋も・・・頑張ります。

先日発売した「バレンタインブレンド」。
普段の豆香洞コーヒーにはあまり無い、中々個性的な味わいなので心配しましたが、
ご好評いただきほっとしております。
ありがとうございます。

さて、コーヒーとチョコレートは従兄弟、義兄弟のような関係で、
「豆」を「焙煎」したり、原料や製法等に共通する点が沢山あるのですが、
味わいにおいても相性が良い事で知られています。

その相性があまりに良すぎて、この度「VISAVIS」さんが珈琲豆とチョコレートでお菓子を作ってくださいました。

ココアパウダーのほろ苦さの後に広がる柔らかなミルクチョコレートの香味。
最後にコーヒーの香りと苦味が微かに残ります。

使用しているスペインのチョコレートは華やかな香りと柔らかな質感、優しい甘味が特徴です。
その上品な味わいを邪魔しないように中に入れる焙煎豆はテストを重ね、品種とローストを調整しました。

所謂「豆チョコ」という商品ですが素材や製法は凝っています。
一般的な物と比べてどこかに「上質さ」を感じていただたら嬉しいです。

エンジ色の可愛らしい缶はバレンタインの限定缶だそうです。
弊店店頭でも30個限定で販売させていただいております。

1個800円(税込)。
バレンタインブレンド200gと合わせるとちょうど2000円札一枚。
キリが良いですね。

コーヒーの聖地

コーヒーの故郷エチオピア。
コーヒーマンとして死ぬまでに一度は行きたい国。

来る6月5日に行われる日本コーヒー文化学会の総会で
珈琲美美の森光マスターとライターの小坂章子さんが
昨年の最古のコーヒーの木を探す旅の報告、講演とDVDの上映を行います。
先日そのリハーサルにお邪魔してきました。

優しい口調で語られるマスターのイエメンやエチオピアのお話にはいつも感動と新たな学びがあります。
今回の「ゴールデンビーンズ」をめぐる旅のお話も浪漫と冒険心に溢れていました。

それを引き立てる小坂さんの映像がまた素敵で、
本当にその場で一緒に旅をしているような感覚になります。
変に作られすぎていないのが良いのでしょうか、
素のエチオピアの空気(知らないけど)を感じてうっとり。

講演は素晴らしいものになる事でしょう。


貴重なゴールデンビーンズ。
当日会場で飲むことができるそうです。
参加される方は本当にラッキーですね。(私は行けません

コーヒーの聖地エチオピア。
福岡とエチオピア、あまりに遠く離れていますが
森光マスターがその距離をぐっと縮めてくれています。
幸せな事です。

マヌコーヒーという文化


先日オープンしたマヌコーヒー大名店のレセプションに行ってきました。
開店おめでとうございます。会場には入りきれないほどの人、人、人。注目度の高さが伺えます。

マヌコーヒーの世界観にはブレを全く感じません。
何時、どの店舗に行っても、本当に海外のカフェに迷い込んだような錯覚に囚われます。
新しいお店はそれがさらに洗練されて突き抜けた感じ。
本場の人が見ても違和感なく「cooool!」と感じる事でしょう。

巷に溢れるシアトル「風」カフェとは完全に一線を画するこの本物感。
何が違うんだろうと理由を考えていましたが、今日行ってそこはやはり「人」ではないかと思いました。
トップを中心にスタッフ全員がその文化を完璧に理解し、吸収し、共有し、体現しています。
いちいち戦略的な「コンセプト」なるものを作らなくてもスタッフが自然にやりたいようにやったら
何をどうしたって「マヌコーヒー」になってしまっている、そんな感じなのです。

海外の魅力的な文化を輸入し減衰させることなく再現する。
最初人々は戸惑いを覚えますがしだいに慣れ、酔いしれ、やがて独自の文化として定着します。
形は違えど明治時代に日本に入ってきた時の「カフェー」もこんな感じだったのかないでしょうか。
カフェの大きな役割のひとつ「文化の発信」というのはこういった事を言うのかもしれません。
凄いことだと思います。

もうひとつマヌコーヒーが凄いのはコーヒーに関して常に本物を求め続けているという事です。
一見してアウトローな集団ですがコーヒーに関しては恐ろしく真摯で謙虚です。
けして宣伝しないので表には出ませんが、華やかな活躍のその裏で、
コーヒーの味の探求にとんでもない量の時間とお金と人員を割いています。
この動きは日本の中でもおそらくトップクラスでしょう。
そしてそれが全く止まらないので後発はいつまでたっても背中を追う事しかできません。
私の目指す方向、世界観とは全く違うのですが、本当に尊敬するコーヒー屋さんのうちの一つ、
福岡が世界に誇れるお店です。


クールな手作り什器がそこここに。

DJブース・・・えっ!?


イタリア語で「道」という名の最新エスプレッソマシン。遊ぶ面々。
私も使わせてもらいましたが、これがめちゃくちゃ楽しい!
マニュアル操作で「ハンドドリップ」の様な事ができちゃいます。
名前の通り求道的なマシン。これでマヌコーヒーは「エスプレッソ道」を突き進むことでしょう。
私も私の信じる道を進んで行こう、そう思った35の夜でした。

料理×珈琲 檜山タミさん交流会

先週のお休みにコーヒー文化学会のメンバーと檜山タミさんの交流会に参加させていただきました。
参加者は20名ほど。会場は大手門にあるタミ先生の料理スタジオでした。


珈琲美美の森光マスターによるお話と抽出のレクチャーです。
「なぜネルなのか」や「なぜお湯の温度を落とすのか」「感動の居場所」などなど。
檜山タミ料理塾の方々にむけての内容ですが私たち珈琲屋にとっても貴重な体験です。
どれだけ珈琲や道具に対して愛情をかける事ができているか、
どれだけ人の心を動かせているか、自分自身日々をどれだけ楽しめているか自問自答。


そしてタミ先生による料理談義と教室。
お話と共に作っていただいた料理は「ヴィネグレットソース」。
ドレッシング一つ作る中にも様々な知恵やタミ先生の料理に対する哲学等が詰まっていて
驚くほど様々な事を学べました。感動もいっぱい。ためになるだけでなく、とても楽しいお話でした。


最後に料理教室の方々に作っていただいた料理とお菓子を頂きながらお二人の対談を拝聴します。
体と心に染み入る料理とお話。至福の時間です。
料理とコーヒー、畑は違えど名人のお二方に共通する部分を多く感じました。
その一つ一つの言葉がコーヒーマンとしての魂に響きます。
こんなにも素敵な体験の機会をいただいた事に感謝、感謝。
いつも本当にありがとうございます。

金沢大学コーヒー学入門 2

公演とその後の懇親会には福岡や鹿児島、九州各地をはじめ、
岡山や東京南青山など全国から著名な焙煎人の方々も多く参加されていました。


中には流しの珈琲漫談家や京都のカリスマ焙煎士&麗しき女性焙煎士など若い世代に人気の方も。
四国からもお二方若手の方が参加されていたり、おどろくほど豪華な面子で、
あらためて森光マスターの人徳の高さと影響力の強さを感じました。

同業面で平静を装いながら、マニア的には密かに興奮。
その方々の死角から接近し、耳をスーパーダンボにして話を聞きまわっていました。
やはり話している内容のほとんどはコーヒー、素材や焙煎などについて。
大御所と言われている方でも考えている事、悩まれている事は僕ら若手とあまり変わらないのが意外でした。
それにしても十年、二十年、三十年と、未だ情熱と探究心を持って勉強を続けているのがすごいですね。
こういった先輩コーヒーマンの姿を見て自分はコーヒーを一生の仕事にできるとふんだわけです。

やはりコーヒーは「人」。
ただ話を聞いただけじゃ。ただコーヒー飲んだだけじゃ。
直接会わないと何もわかりません。

懇親会にはスペシャルな柿豚&ソーセージとスペシャルなお米とスペシャルなブドウで作った料理が並びました。
これらは全て福岡県の吉井町で作られたものです。
海外や日本全国から集まった方々を地元の食材でおもてなし。粋ですね。
素材の良さがよくわかるシンプルな調理でとても美味しかったです。

会場にそれらを作った生産農家の方々がみえてお話をしてくれました。(写真右)
農作物も畜産物も、コーヒー生豆もコーヒー焼豆も、作っているのは「人」なんですね。
心こめて、気合入れて作ったものはやはり全然違います。
こんな当たり前の事に普段なかなか気づかないのは何故でしょう。
自分も今まで以上に、120%の気合と情熱をもって仕事に向かっていこうと思った次第です。
SCAJ帰りで疲労困ぱい、身も心もボロボロでしたが、参加できて良かったです。
憑き物が落ち心洗われた感じ。得るものの多い素敵な会合でした。

金沢大学コーヒー学入門 1

先週の日曜日にNHK福岡放送局のホールにて行われた
全国大学連合特別公開講「金沢大学コーヒー学入門」という講座にお手伝いで参加させていただきました。

会場隣の護国神社では蚤の市が開かれて大盛況でした。


K吉さんを発見。


公演に先立って会場近くの珈琲美美さんでは
エチオピアの伝統的な「コーヒーセレモニー」が行われ。


正式な作法で供されるエチオピアのコーヒーと
ブラジルで一般的に飲まれている「カフェジーニョ」が振舞われました。


会場のNHK福岡放送局内のホールです。
写真ではわかりにくいですが広い会場です。
100名の募集があっという間に締め切られるほどの盛況っぷり。

講義はエチオピアのコーヒー輸出会社「モプラコ」のエレアナ・ジョーガリス社長と
ブラジルのカルモシモサカコーヒー農園主の姪で、カップテイスターをされている「マルシア・ヨーコ・シモサカさん、
そして金沢大学講師の圓尾修三を講師にお招きして行われました。
普段はなかなか聞くことのできないエチオピアやブラジルのコーヒーの歴史、
そして「今」を知ることができました。

公演終了後と懇親会までの間にマルシアさん、エレアナさんとお話する事ができました。
マルシアさんとはブラジルのスペシャルティコーヒーとメインストリームコーヒーの現状と、資格制度について少し。
印象的だったのはブラジルにはいろんなコーヒーがあるのでそれを楽しまないのはもったいないと仰っていた事です。
コーヒーに精通している人ほどコーヒーの多様性を信じ、認めていることにいつも感動します。
スペシャルティコーヒーでさえコーヒーの多様性の中のごく一部である、と。

エレアナさんからは一番聞きたかった流通システム変更による弊害と残留農薬問題についてお話を伺いました。
やはり現状には大変心を痛めているそうです。
特に農家もわれわれ日本の買い手も、輸出業者でさえ得をしない今の仕組みについて。
中間業者だけ儲かる仕組みではあるけど、こんなシステムだと年々品質が落ちていくのは当然で
いずれは本当に誰も得しない最悪の状態になるのは誰の目にも明らか。
それなのになぜ改善されないか当たり前の疑問をぶつけると、
「彼らは今日の事しか考えていない」と寂しそうに仰っていました。

残留農薬問題についてはエチオピア側にも日本のコーヒーの業界側にも少しずつ、
責任が全く無いとも言えない面もありますが、
前提のルールそのものが無茶苦茶なわけですからどちらが悪いといった話でもない気がします。
本当にどうしてここまで変なルールができてしまえるのか。
おそらくコーヒーだけの世界ではないと思いますが、日本のシステムも相当おかしい事だらけなのでしょう。
おそらくルールを作っている人たちも「今日のこと」しか考えていないんでしょうね。
悲しい限りです。

双方単純そうで問題はなかなか複雑です。
日本にはエチオピアのコーヒーを愛する方が多くいますので
改善の兆しは少し見えていますができるだけ早く事態が良い方向に向かうことを祈るのみです。

SCAJの大会でも生産国の方のお話をたくさん聞きましたが、
あちらは基本的に見本市に「売り込み」に来ている方々のお話ですから、聞くこちらも「話半分」といった構え。
認証関係の話にしても耳に心地よい話が多くてネガティブな面にはなかなか触れる事ができませんでした。
今回少しプライベートに近い形で生産国の方のお話が聞けて
知りたかった本当の事の一端でも知ることができた事がとても嬉しいです。
現地でなく、東京でもなく、九州福岡にいながらこれほど貴重なお話をきける機会を得ることができるのも
多くの方の尽力、特に先輩コーヒーマン方々の情熱と努力があるからこそ。
情報を取りに行く大変さは少しはわかっているつもりです。
九州のコーヒーファンや後進の若手コーヒーマンに引き続きこういった場を提供し続ける事ができるように
今後とも微力ながらできる限りのお手伝いはさせていただきたいと思っております。