‘相棒’

明日の営業と明後日の売り尽くしのためおそらく今年最期、
頭から数えると1218バッチ目(うち業務用は1170バッチ)の焙煎を今終えました。
機械を止めるために釜を冷やしている最中です。

私の相棒、この「マイスター5」という焙煎機を使い始めてもうすぐ5年、修行時代から数えると7年になります。
その前は2年間フジローヤルという機械で勉強してました。
フジはマイスターよりもアナログ寄り、操作も直感的な良い機械です。
今でもたまにフジで豆を焼いてる夢をみます。(マイスターはない;)

「マイスター」は、通常使う範囲においては非常にトルクフルというか、
ゆったり安定した焙煎ができる、とても使いやすい機械です。
そこから設定を変え、あえてバランスを崩すととたんにピーキーな面が顔を出してきます。
「遊び」が無くなり使いにくさが出るものの、そのレスポンスの良さとじゃじゃ馬を乗りこなす感覚が楽しくて、
コンペ用など業務以外の焙煎ではついリミッターを外して遊び倒してしまいます。

どんな焼き方をしてもギリギリ破綻しないのは、とりあえず一粒一粒に熱が入る攪拌性能のおかげでしょうか。
何にしても「打てば響く」、操作に対する反応の良さはありがたいです。
私の検証技術はこの相棒に鍛えてもらっている部分も大きく、感謝しております。

途中噛ましてあるインバーター制御のせいなのか、
使い始めた当初から自分の感覚と釜の反応、焼きあがった豆の味わいに
感じるか感じないかくらいの微妙なズレがずっとあって、もやもやする事も多かったのですが、
焙煎3000回を超えたあたりから急にサブダンパーの0.1目盛りが、
またインバーターの100回転が体になじんできて
手足の延長、とまではいきませんが前よりだいぶ直感的な焙煎が出来るようになってきました。
身近な例で言うと自動車のパワステやバイワイヤ系にようやく慣れてきたような感じです。
制御系に対するストレスが減った事で(むしろもっと細かい制御を入れて欲しいくらい)
単純にマイスターで豆を焼く事自体が楽しくなってきました。
まだもう少し機械と仲良くなれる余地も感じてるので今後も楽しみです。

珍しく(?)今年は1年間グズる事なく良く働いてくれました。
それだけでなく、今年は世界に繋がる扉まで開けてくれました。
本当にありがとう、お疲れ様と褒めてあげたいです。

来年もこの頼もしい相棒とともに「お客様にとってのおいしさ」を探し求めていきたいと思っております。
焙煎士ともども、どうぞよろしくお願いいたします。

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