決戦前夜

ハンドドリップの競技会が始まります。
明日より始まる地方予選は「味覚審査」のみで行われます。

こちらがジャッジシート。
  1:フレーバー  2:後味の印象度  3:酸の質  4:口に含んだ質感
  5:クリーンカップ  6:甘さ  7:ハーモニー・均衡  8:総合評価 
の8項目各10点に技術点(抽出量)の20点が加算されて100点満点。
SCAJのカッピングシートに準拠したものなので馴染みが深い方も多いでしょう。

「飲み物としてのコーヒー」の味を見る時にこういったスコアシートを使う事はまずありませんが、
競技に対する理解を深めるため最近はドリップ抽出した液体にスコアを付けています。

コーヒーの味を決める抽出条件は本当に様々で、その変数を変えながら色々試していると
ドリップ抽出の味作りの難しさを改めて実感します。
○○や○○、かなり影響が大きいものもありますね。(ここで決まるかも?)

ただ、ある程度高いレベルの液体ができればそこから先は完全に「あちらを立てればこちらが立たず」の世界。
全ての項目がプラスされる事は無くなり、複雑なトレードオフの関係の中での足し算、引き算が始まります。
このあたり焙煎と全く一緒だなと感じています。
何をどうしたら各項目にどんな影響を与えるか、それがスコアにどう結びついていくか。
抽出の技術はさる事ながら、競技ではジャッジシートに対する深い理解も必要となってくるでしょう。

実際に競技で使うコーヒーは誰にも分かっておりません。
課題の豆は大会当日の朝発表(銘柄&焙煎度合い)され、リハーサル用に選手に100gだけ渡されます。
その場で豆の素性や状態を見極める能力、数度の練習で完璧にアジャストしていく高い調整能力が問われます。
アドリブ力、ドリップ抽出で一番大事な能力ですが・・・不器用な私には一番向いてない競技かもしれません。

選手は他の競技者の抽出液は飲めないそうです。
僭越ながら、私は今回味覚審査員として大会のお手伝いをさせて頂きます。
様々な抽出を実際に味わう事ができるというのはとても貴重な体験で、有り難いことです。

審査員の心得として、先入観を完全に排除して目の前のカップと真剣に向き合いたいと思います。
選手の皆様が淹れた渾身の一杯、どんな素晴らしい抽出と出会えるのか今からとても楽しみです。
大会が滞り無く行われ、全ての競技者が日頃の成果を遺憾なく発揮できますよう心より祈っております。

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