役割

一枚の絵を鑑定するとして、同じ「プロ」でも作家と画材屋と画商と評論家では見方が異なります。

先日著名な生豆商社のカッパーの方とカッピングをご一緒する機会を得ました。
高品質なコーヒー生豆を産地で探して買い付ける専門商社の方です。
直接的ではないものの当店も大変お世話になっております。

その方の豆の本質、焙煎の意図等を見抜く能力はもちろん素晴らしいのですが、
品種や栽培条件、精製の状況等をベースにした産地の風景まで感じさせるコメントにプロフェッショナルを感じ、感動しました。
まさに餅は餅屋。生の事は生屋に聞け、そう思いました。

自分が何屋か問われたら「自家焙煎珈琲店店主」と答えるでしょう。
カフェでも、ビーンズショップでも、ロースターでも、喫茶店でもない「自家焙煎店」のオーナーロースターです。
同じコーヒーを扱う仕事なので同じように見えても、それぞれ大きな違いがあると思ってます。

業界の中ではけし粒のような存在で相手にされる事も少ない自家焙煎店ですが
大きな資本を持ったロースターや外食産業が同じ事をしてうまくいかないケースを見ていると
それはそれで、独自のノウハウといったものもあるのかなと感じています。

プロというのは‘わかっている’異業種・異業態の人間に
「餅は餅屋。かなわんなぁ」
と思わせるくらいのものがないといけないと思っています。
他の人がしないから、できないからこそ、やる。
しっかりと自分の立位置を見極め、そこを見失わないようにしながら、私は私の道を極めていこうと思いました。

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