鍛練

先日SCAJ主催の「品質ワークショップ」に参加しました。
参加者は先に送られてきた同じ課題豆を焼いて事務局に送り、それを当日集まって検証するというものです。
参加は今回で3度目。テーマは「明るい酸」でした。

午前中がカリブレーションで午後から本番、
コンペ形式で1stステージで参加36社の中から各テーブルのベストの豆を決めます。
2ndステージでは全員で選ばれた豆をカッピング&ディスカッション。
焙煎プロファイルまで含めて詳しく検証する、という流れです。
評価フォームはCOE方式(SCAJ、ヨーロッパ式)です。
公正を期すためカッピングは最初から最後までブラインドで行われます。

私は今回は東京まで行くことができなかったため豆だけを送る「通信講座」を受けました。
通信講座は初めての取り組みです。
先日事務局から2ndステージに進んだベスト9の豆の評価と焙煎プロファイル、
ベスト、またベストに準ずるという5種の豆が送ってきました。

私の焼いた豆はギリギリの所、あと1,2ポイントくらいでしょうか、
どこか詰めきれていない感じを残したまま時間切れで提出したのでどうかなと思っていましたが
本番ではベスト9の一つに選んでいただいたようです。


参加者のコメントも細かく書いてありました。
「ジャスミン、アプリコット、ハニー、シルキー、ストロベリー、インプルーブ
、オレンジ、ロングアフターテースト、グリーンアップル、軽やか、スムース」
とあります。
同じコーヒーを飲んで私自身はアップル、ラウンド、スイートアフターフィニッシュ、
くらいしか出てこなかったのでこういった他者の評価は参考になります。

豆のコメントだけでなく焙煎プロファイルも載っていました。
(※私の焙煎プロファイルが少し間違って掲載されていました。正しくは
焙煎機 ダイワ鉄工所 5キロ 半熱風 投入温度 160℃ ボトム102℃ 1ハゼ 8分20秒 終了 10分45秒 です)
使用焙煎機も載っていましたが、その内容がまた興味深い。
当店使用のマイスター5(5kg半熱風)をはじめ、
日本製5kg半熱風、日本製0.25kg半熱風、イタリア製10kg熱風、日本製10kg直火、
日本製5kg直火、アメリカ製35kg熱風、日本製3kg直火、日本製0.5kg直火
なんと、見事なくらい焙煎方式も容量も様々で同じ釜が一つもありません。

焙煎機を語る際「豆の個性を一番出すのは○○式」という話はよく耳にしますが
豆の味を引き出すのは焙煎プロファイル、豆への熱の加え方の問題で、
適切なタイミングで適切な熱量を入れられるものであればある程度何だって良いと思っています。
むしろいわゆる「釜の個性」はマイナス要因として出る事の方が多い気が。
(ギリギリ詰めた、最終最後の0.5~1ポイントくらいには大きく関係するでしょうが、
そこに至るまでには焙煎機やコーヒーの焙煎そのものに関する深い理解と高度な検証技術が必要だと思います)
単に「豆の個性を引き出す」というのであれば「どんな釜で焼いたか分からない」のが一番で
実際点数つけて上位に来る豆にはいわゆる「直火っぽさ」や「熱風っぽさ」はありません。
もちろんこれはコンペや品質評価の話で営業レベルで言えばやはり焙煎機は重要です。
「お店の味」作り、煎り分けへの対応能力や一番大事な味の再現性などに関わってきます。
個性的な「釜の味」はそのまま「店の味」として大きくプラスに働く事でしょう。

と、何の話でしたっけ、頭が回っていないので続く・・・

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