ロースティング 2

豆の味、釜の味、人の味。どのコーヒーも特徴があって素晴らしい。
個人的にも収穫があり大満足でした。

機会があればまた行いたいけど、こういった取り組みって意外に難しいものなのです。
本来味作りの中核を占める焙煎技術はお店にとっては秘中の秘、公開するものではありません。
また味一つで技術から人格まで(笑)丸裸にされるため多くの焙煎人(特にベテランの方)はこれを嫌います。
そして点数付けての評価形式だとどうしたって誰が上手いとか下手だとかいう話にもなりやすいです。
全く馬鹿馬鹿しい話ですが。

焙煎人の多くは己の信念や哲学、高いプライドを持って仕事をしています。
それぞれの味作りがあり、方向性が違っているのも当然です。
忘れてはいけないのは各店舗のコーヒーの後ろにはその味わいを支持する多くのお客様がいるという事実です。
他所のコーヒーを馬鹿にするということはそこに集うコーヒーファンを馬鹿にする事。
またコーヒーの多様性を奪う事にもなります。
一般の方ならともかく、コーヒーに食べさせて貰っている人間がそれしちゃ終わりだと思っています。

自分はこの様な場は競争したり技術を教えあう所ような場所ではなく、
「本来なら一人でやるべき」様々な検証をプロが共同で、効率的に行う場だと思っています。
セミナーではなくワークショップなので、自分が何かを学ぶか、それと同じくらい何を与えられるかも重要。
いつもそれを考えています。
廻り廻って地域のため、自店のお客さまのためになると思う気持ちもないと続かないでしょう。
一番大切なのは相手を尊重する気持ち、そして信頼関係、これに尽きると思います。
焙煎まで突っ込んだ内容は今回が初めてですが、ここに至るまで数年かかったと思うと感慨深いものがあります。

今回の取り組みではロースターだけでなくバリスタも多く参加しました。
コーヒーサービスの最前線に立つベテランバリスタの意見はとても参考になります。
豆売り販売の実情と照らし合わせても当を得た素晴らしい意見を頂戴しました。
豆でも液体でも、お客様が求めているものは全く同じ。
やっぱりそうなんだ!と勇気がリンリン沸いてきます。


焙煎翌日、3日目と検証して、2週間たった豆をカッピングして経時変化を見ています。
それぞれに味わいの変化が見られます。
少し味が落ち始めているもの、あまり変わらないもの。
ある程度想像してた通りですが、中には「エイジング」と呼んでも良いくらい相対的に良くなっているものもありました。

「焙煎後2週間~1ヶ月」
個人的にはこの辺りの味わいも一つの勝負所と思っていますので、実はこの検証が一番参考になりました。

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