日本はコーヒー天国
世界各国から生豆を輸入し、ありとあらゆる手法で、浅煎りから深煎りまでかなり幅を持ったプロファイルで焙き上げる。日本には驚くほど多種多様な「コーヒー」があります。
歴史的な経緯だったり食文化だったり、理由は色々あると思いますが日本の様にこれだけ多くの種類のコーヒー豆が売られているケースは世界中見渡しても珍しいのではないでしょうか。
選択肢が多いのは喜ばしい事ではあります。しかし多すぎるくらい沢山あるのでその中から自分の口に合うコーヒーを探していくのは大変です。闇雲に探していても中々見つからないと思いますので、今回はおいしいコーヒー探しのヒントになるようなポイント、いくつかある中からとても大切な「鮮度」についてお話したいともいます。
豆選びの重要なポイント:コーヒーの「鮮度」
賞味期限
コーヒー豆は水分が低く、カビが生えたり腐ったりはしにくい食材です。飲んでお腹をこわさない、コーヒーを飲料として「飲めるか飲めないか」という事だけで言えば、わりと長い期間飲む事は出来ます。そういった意味ではコーヒーはパスタや缶詰と同じ「保存食品」とも言えます。多くの方の意識もそうなのではないでしょうか。
しかし、嗜好品としてとらえると答えは違ってきます。コーヒー豆は焙煎した直後から緩やかに、しかし確実に変質していきます。そして本当においしい期間、そのコーヒーがそのコーヒーらしい味わいを保っていられる期間は、おそらく一般の方が思っているほどには長くはありません。
「 おいしさ」の期限
ではどれくらいの期間コーヒーはおいしく飲めるのでしょう。
これは素材である生豆や焙煎の手法によっても異なります。(極端な例ではありますが1週間も経たずに味が崩れてしまう焙煎もあれば、1か月を超えたあたりでやっと味わいのピークが来るような豆や焙煎もあります)
また季節やパッキングの方法、保存方法によっても大きく変わるので、はっきりとは言えない所はありますが「焙煎してから1か月以内※豆の状態で」というのを一つの目安にしてみてはいかがでしょう。
どんなに高級で、どんなにスペシャルなコーヒーでも、古くなってしまえばどこにでもあるただの「古いコーヒー」です。あなたが買って「おいしくない!」と思ったコーヒーも、もしかすると数週間前にはとても素晴らしい味わいだったかもしれません。
おいしいコーヒーを探す際に「鮮度」という視点を加えてみる。
できる限り焙煎してから時間の経っていない新しいコーヒーを選ぶ。少なくとも「古いコーヒー」を買わないようにする。ただそれだけで「おいしいコーヒー」に出会える確率はグッと上がると思います。
コーヒー豆の買い方
今回のテーマは「鮮度」です。味の好みなどはとりあえず横に置いて、まずはどうやって「新鮮」なコーヒー豆を手に入れるかを考えてみました。
1. スーパーやコンビニ、百貨店で買う
一番身近な選択肢だと思います。棚にずらりと並ぶコーヒー豆。手に取って裏を返せば味わいやらこだわりやら、色々な事が書かれていると思います。しかし大切なのはそこではなく「製造年月日」もしくは「賞味期限」です。まずはそこを気にして、できるだけ新しそうなものを見つける習慣をつけましょう。
それからどうするか。お店に迷惑がかかるといけないので具体的な方法は控えますが、卵や牛乳、パンなどの生鮮食品を買う感覚でお買い物されると良いと思います。
店頭に販売員さんがいるタイプのお店なら「新しいコーヒーはどれですか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
2. 自家焙煎のコーヒー豆屋で買う
弊店もそうですが、自分のお店で焙煎をしているような町のコーヒー屋さんで買うのもおススメです。スーパーや百貨店に卸しているような大きなコーヒー屋さんに比べると小ロットで日々細かく焙煎している所が多いため、比較的容易に新鮮なコーヒー豆が手に入ると思います。焙煎日についても聞けば教えてくれると思います。
「コーヒー焙煎店が近くにない!」という方もあきめないで。コーヒー豆屋さんはひっそりして控えめな佇まいのお店も多く、見つけきれていない可能性も十分考えられます(私のお店も近所の方に「発見」してもらうまで3年くらいかかりました)。
感覚的なもので申し訳ないのですが、だいたいどんな所にも、中学校校区に一軒くらいの割合でコーヒー豆屋さんはある気がします。必ずしも商店街にあるとは限りません。住宅地の中だったり、うちみたいに辺ぴなところにぽつんとあるケースも多いので、町内をくまなく探してみると良いと思います。道を歩いていて焙煎の良い香りがしたらしめたもの。匂いの強い方向に向かって歩いていけばきっと豆屋さんが見つかると思います。
3.通信販売で買う
インターネットや通信販売で買うのもおススメです。近くにお店がなくても色々な処から取り寄せる事が出来るので便利です。小さなお店はもちろん、大手でも工場直送の所が多いため新鮮なコーヒーが手に入る確率も高いと思います。
通信販売で有名なお店をご紹介致します。
【土居珈琲】
大阪にあるコーヒー専門の通販会社。焙煎歴40年以上の大ベテランで「焙煎名人」と呼ばれた土居博司さんのお店です。残念ながらマスターは昨年亡くなられたそうですが、今は息子さんがお店を継がれています。農園と直接交渉したり独自のルートを持っているため質の高いコーヒーが揃います。
【珈琲きゃろっと】
北海道にある今人気のスペシャルティコーヒーの専門店です。全額返金保証を付けるほど味と鮮度に自信を持っています。初回限定のお得なセットがあり、淹れ方の説明や豆の挽き方のサンプルも付いているので安心です。
【honu加藤珈琲】
愛知県のコーヒー店です。実店舗もありますが、楽天やアマゾン、ヤフーにも出店するネット通販にかなり力を入れているお店です。業界内でも「コスパ最強」の呼び声高く、1Kg1000円~という驚きの価格でやきたてのコーヒーを購入する事が出来ます。
どちらも通信販売でとても有名(通販御三家?)なお店です。ネット通販にかなり力を入れて運営されているお店なので当然対応には慣れていらっしゃいますし、たくさん売れているという事は商品の回転もかなり早いはずなので新鮮なコーヒーが手に入る可能性は高く、初めての方でも安心して豆の購入が出来ると思います。
【丸山珈琲】
言わずと知れたスペシャルティコーヒーの超有名店です。軽井沢に本店があり西麻布や表参道にも出店しています。高品質のコーヒーを求め、社長の丸山氏が自ら海外の農園に豆を買い付けに行っている(年の半分以上は海外に行っているそう!)豆の品質にとてもこだわりのあるお店です。
小さなお店からも買える
今はたいていどこのお店でも通信販売をしています。
あ、すみません、弊店も通販はやっております。
通販の豆は焙煎してから5日以内(と言っても5日は社内ルールなだけで、たいていは1~3日)のものを発送しています。フレッシュです。すみません。よろしくお願いいたします。
ウェブサイトは無くても、注文すれば送ってくれるお店もたくさんあります。通信販売なら地方にいても丸山珈琲さんのような有名店のコーヒーを取り寄せて楽しむことが出来ますし、逆に東京などの大都市圏から地方の小さなロースターの豆を購入する事も可能です。日本全国に星の数ほどあるコーヒー屋さんの豆を気軽に試すことが出来るのは通信販売ならではの大きなメリットだと思います。
デメリットとして送料の問題がありますが、通常の店頭販売でも電車に乗って、車に乗って、時間とお金をかけて買いにいく事を考えればそれほど気になる事でもない気がします。弊店もそうですが「〇〇円以上送料無料」と買いやすいようなサービスをしているお店も多いので、場合によってはご近所に買いに出かけるよりも気楽に低コストで好きなコーヒー豆が買えたりもします。
4.たくさん買いすぎない
せっかく手に入れた新鮮なコーヒー豆も時間がたてばどんどん変質が進んでいきます。保存方法を工夫する事でおいしく飲める期間を延ばす事は出来ますが、まずは保存に気を付けなくても良いくらいの量、おいしい期間で飲み切ってしまえるくらいの分量をこまめに買う事をオススメします。
まとめ
コーヒーの選び方にはいくつかのポイントがあります。嗜好品なので一番大事なのは飲む人の「好みに合うか合わないか」ですが、それ以前の部分で損をしてしまっている方が多い気がするので、今回は見落としがちな「鮮度」のお話をさせて頂きました。
「味」の部分に関しての選び方もこちらでご紹介できたら良いなと思います。
それではまた。
皆様のおうちコーヒーライフが少しでも豊かになります様に。